2003 Fiscal Year Annual Research Report
左右非対称決定におけるPKD-inv経路の解明と生体内可視化
Project/Area Number |
15790109
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
大橋 憲太郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (50332953)
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Keywords | 左右非対称 / 内臓逆位 / 多発性膿疱腎 / INV / PKD / GFP |
Research Abstract |
ヒトをはじめとする脊椎動物の身体は、外見上は対称であるが、内部臓器の配列・形はほとんどすべての臓器で非対称をなしている。近年、knockout/antisense等の手法を用いることによって種々の左右発生に関わる因子が報告されている。その中で、PKD2・invは共にヒト遺伝性腎疾患の原因遺伝子であり、かつ内臓逆位を起こすことから共通のsignal cascadeのもとにある可能性がある。しかし、zebrafishにおいては、invホモログのみで、PKD2に関しては未だcloningされていない。そこで本研究では、zebrafish PKD2 homologueをcloningし、antisense morpholinoを用いることによって形態形成への影響を検討した。Mouse PKD2 primer pairsを用いることによって、zebrafish cDNAよりPKD2 homologueのfragmentを得た。得られたPCR fragmentを元にしたGenebankでのsearchによって5'上流および3'下流の配列を推定し、作製したPCR primerによって全長約1.9kbpを得た。推定分子量は約73kDaでmouse PKD2と比較して5'側が約1kbp短かったものの、アミノ酸配列では約70%の相同性を有すし、膜貫通部位・C末の細胞内ドメインが存在した。zebrafish PKD2 homologueは、30%epibolyで既に発現しており、それは48hpfまで同程度であることがRT-PCRによって明らかとなった。更にembryoへのantisense morpholino注入によって心臓逆位・心奇形のみならず頭部・尾部の形成不全が誘導されたことから、PKD2が腎(尿細管構造の維持)・内臓位置決定以外にも広範な機能を有する可能性が示唆された。
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