2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790110
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
仲谷 和記 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60295699)
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Keywords | 肝臓 / 発生 / 間葉系細胞 / 細胞外基質 / 細胞接着分子 / ラット / 組織細胞化学 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、ラット胚肝芽組織における諸分子の発現を検討した。ラット11.5日胚、12.5日胚、13.5日胚、14.5日胚、15.5日胚、16.5日胚を無固定のまま、もしくはPLP固定液で固定した後、シュクロース加リン酸緩衝液で処理し凍結標本を作製した。一次抗体として抗αフェト蛋白質(AFP)、サイトケラチン(CK)18、ビメンチン、c-kit、インテグリンα3、α4、α5、α6β1、β1、β4、β5、E-カドヘリン抗体を用いて免疫組織染色と二重染色を行った。上記のうち、肝芽細胞を同定するマーカー分子としてAFPとCK18を用い、間葉細胞に関してはビメンチンを、血球系未分化細胞に関してはc-kitをマーカーとした。前年度に検討して有意な所見を得られなかった抗体に関して、抗原性の保持がより良好な冷アセトン固定標本(無固定標本より作成)を用いて再度検討を行ったところ、インテグリンα5とα6β1の発現を肝芽組織実質内に確認できた。インテグリンα5は12.5日胚以降では肝芽細胞と一部の血球系細胞に発現していた。間葉細胞に関しては細胞膜に部分的に発現することが確認できた。また、11.5日胚では横中隔内に存在する肝芽細胞と間葉細胞の双方に明らかな発現が認められた。インテグリンα6β1は血球系細胞に発現し、肝芽細胞には発現が認められなかった。また、上皮細胞の接着結合に存在するE-カドヘリンは肝芽細胞が横中隔内を遊走している11.5日胚では肝芽細胞での発現が減少し、肝芽組織を形成する12.5日胚以降再び増大した。これは肝芽細胞の上皮-間葉移行の過程を示すものと考える。以上の所見に加えて昨年度報告したフィブロネクチン、ラミニン、神経細胞接着分子の発現の検討を合わせて第15回肝サイトスケレトン研究会、第12回国際組織細胞化学会、第16回国際解剖学会で発表した。
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Research Products
(5 results)