2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790126
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
若松 永憲 獨協医科大学, 医学部, 助手 (80348086)
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Keywords | 体内時計 / 糖尿病 / in situ hybridization / RGS16 / G-タンパク質 / 制限給餌 |
Research Abstract |
本研究はリズム異常を指標として糖尿病関連遺伝子をスクリーニングすることを目的としている。マウスのリズム発現する遺伝子はピークの位相からRev-ErbA/Per2,Cry1,Bmal1,Id2をそれぞれ代表とする4つのクラスタに分類されている。これら4種のクラスタ代表遺伝子とDbpなど糖代謝に関与している遺伝子6種、合計10種の遺伝子について脳内リズム及び摂食中枢、肝臓でのmRNAの発現パターンの解析を計画し、15年度はこの中の5種類について達成する目標を立てた。 給餌刺激への感受性の高い遺伝子を探索するために、実験動物に非摂食時間帯における1日4時間の制限給餌を施し自由摂食群と遺伝子発現を比較した。発現の解析はin situ hybridizationによる時間的空間的な発現プロファイルの作成を目指した。本来、ではcRNAプローブを用いた方が高感度であると言われているが、立案の段階では本機を使用しての実験系はオリゴプローブを用いたものだけであった。しかし、その後cRNAプローブによるプロトコールが開発されたので、新手法による利点からこれを採用した。このような経緯により、現在解析が終了したのはPer1,Per2,Bmal1,RGS16の4つとなっている。この遅れを挽回するために、プラスミドのクローニングする事に無しにcRNAプローブを作成する手法の採用し、これを遂行中である。 RGS16(regulators of G-protein signaling)は3量体Cタンパクのαサブユニットをターゲットとするリガンドである。この遺伝子発現が24時間で振動する事は既に報告されているが、本研究において制限給餌で位相が変動する事は初めて示された。また、摂食亢進作用を持つグレリンという生理活性ペプチドがGタンパクを介して細胞内シグナリングを誘導するという事も報告されている。 以上を踏まえて、16年度の研究では脳内各領域と肝臓に絞って検索を行う予定であったが、RGSのその他のサブタイプにも注目し、膵臓・腎臓などにも検索範囲を広げて、より詳細なプロファイルの作成に努めていく。また、高脂肪飼料を用いて血糖上昇と遺伝子発現の関連を解析する予定であるが、自然発症型の疾患モデル動物を用いて、先天的な因子との比較検討も併せて行う予定である。
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