2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790128
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
足立 明人 近畿大学, 医学部, 助手 (20351588)
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Keywords | 概日リズム / 視交差上核 / ノックアウトマウス / 行動リズム / Rat-1細胞 / Ras / Id2 / 再同調 |
Research Abstract |
哺乳類の概日リズムを制御する視交差上核において発現リズムに概日リズムを示す機能未知な遺伝子の役割を調べることを目的とした。これまでに2つのRas遺伝子とシグナル伝達に関与する2つの遺伝子のノックアウト(KO)マウスの作製を奈良先端科学技術大学院大学の山中伸弥先生と協力で行ってきたが、Ras遺伝子一つのみ相同組換えをし、さらに、キメラ率の高いキメラマウスが誕生し,F1の作製を試みている。今後、同Ras遺伝子のKOマウスが誕年次第、行動リズム異常の有無を検討していく。 次に、福井医科大学の横田義史先生が作製しキId2 (Inhibition of DNA binding2)KOマウスの行動解析を行った。Id2は周期的な発現を示す遺伝子の一つで、さらにbHLHの転写因子に結合し、転写を抑制することが知られている。時計遺伝子のBmal1とClockはヘテロダイマーを形成し、他の時計遺伝子の転写を制御するため、Id2の関与が考えられた。KOマウスの行動リズムは恒暗条件下でも概日リズムを示したものの、周期は若干ワイルド比べ変化していた。さらに、新たな光周期への同調を調べたところ、位相の前進ではId2の遺伝子型に変化はなかったが、位相の後退ではId2-/-、+/-、+/+がそれぞれ7、5、4日と遺伝子型による差が見られた。しかしながら、これらの実験は最初のスクリーン実験であったこともあり、例数が少なく、現在、更なる検討を行っている。 最後に細胞系におけるプロモーター活性の計時的測定であるが、ラット線維芽細胞由来の細胞株であるRat-1細胞において、プロモーターの活性リズムを少なくとも4周期測定することが可能となった。さらに、Gateway System用の様々な発現ベクターを作製し、遺伝子を目的のベクターに短期間で組み込むことが可能となった。さらにF1p in Systemを用いて、Rat-1細胞にリコンビナーゼ認識サイトを組み込んだ。その結果、現在ではRat-1細胞で目的遺伝子の一過的、もしくは恒常的な発現させて、プロモーター解析を行うことができる。
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Research Products
(1 results)