2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790181
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
石黒 尚子 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 助手 (50346350)
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Keywords | Arpp / 横紋筋肉腫 / 筋系マーカー / 免疫組織化学染色 |
Research Abstract |
本研究は、横紋筋特異的アンキリン蛋白質Arppの横紋筋肉腫診断マーカーとしての有用性を検討することを目的とする。昨年度までに、横紋筋肉腫27例を含む115例の軟部腫瘍症例において、Arppが横紋筋肉腫で89%と高い陽性率を示す一方、横紋筋肉腫以外の軟部肉腫では9%と陽性率が低いことが明らかとなった。 本年度は、解析症例数を増やして解析を進めると共に、Arpp蛋白質の分布と腫瘍細胞の分化傾向の相関を明らかにするため、横紋筋特異的筋系マーカー(Myogenin、MyoD、Myoglobin)および横紋筋非特異的筋系マーカー(muscle specific actin、desmin)を含む既存の横紋筋肉腫診断マーカーとArppの発現を免疫組織化学的に比較検討した。その結果、横紋筋肉腫においてArppの陽性率(89.2%)は、Myoglobin(59.5%;22/37)の陽性率より高く、Myogenin(88.2%;30/34)、MyoD(25/31;25/31)、muscle specific actin(83.3%;31/37)およびdesmin(89.2%;33/37)の陽性率と同程度であった。また、横紋筋肉腫以外の軟部腫瘍においてArppの陽性率(9.1%;8/88)は、Myogenin(4.5%;4/88)、MyoD(3.4%;3/88)およびmyoglobin(4.5%;4/88)より高く、muscle specific actin(18.2%;16/88)およびdesmin(13.6%;12/88)より低かった。以上より、Arppは横紋筋に分化傾向のある腫瘍細胞で特異的発現を示すことが明らかになった。また、既存の横紋筋肉腫診断マーカーと比較しても、Arppの横紋筋肉腫に対する特異性および感度は劣っていない事が示唆された。
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