2004 Fiscal Year Annual Research Report
慢性炎症におけるp53依存性DNA修復機構破綻による大腸癌発生機構の解明
Project/Area Number |
15790190
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
吉田 功 北里大学, 医学部, 講師 (90316943)
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 発癌 / p53 / p53R2 / G1チェックポイント / DNA修復 |
Research Abstract |
【目的】潰瘍性大腸炎(UC)においては高頻度で大腸癌を併発するが、これは"慢性炎症-異形成-癌"という発癌過程一表現形と考えることができる。この発癌機構を組織及び細胞レベルで解析することにより、孤発大腸癌発癌機構の解明及びその差異を明らかにすることを目的とした。 【方法・結果】UC非腫瘍例においてはその炎症巣におけるp53の発現はp53R2発現を伴っており、p53,p53Ser15リン酸化,p53R2,iNOSの陽性所見は相互に相関すること、逆に異形成及び癌併発例においてはp53発現とp53Ser15リン酸化は相関するものの、p53R2発現には相関は認められないことを組織レベルで確認した。長期罹患例で認めら,たような再生粘膜におけるp53変異はUC短期罹患症例においては認められなかった。また、UC関連癌細胞株をいてUCで高濃度検出される有機酸により、細胞周期G1停止、p53関連遺伝子発現、p53依存性DNA修復機構活性化が誘導されることを明らかにした。 【考察】(1)UC炎症巣(非腫瘍)においてはp53発現とそのSer15のリン酸化、p53R2発現、iNOS発現が相関しており、炎症に伴うiNOS誘導、DNA損傷に伴うp53誘導・活性化及びp53R2発現誘導とDNA修復が行われているが、C関連腫瘍性病変ではその粘膜修復機構が破綻している。(2)腸管粘膜のエネルギー源とされる有機酸はUCで高度に検出される報告があるが、UC関連癌細胞株においてp53依存性のG1 checkpoint機構を誘導する。有機酸刺激はp53変異下では細胞傷害性に機序すると考えられ、これは腫瘍化の一因となりうると考えられる。
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Research Products
(3 results)