2003 Fiscal Year Annual Research Report
調節性T細胞を標的とした細胞内寄生性原虫のエスケープ機構の解明
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15790214
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Research Institution | Osaka Prefectual College of Nursing |
Principal Investigator |
酒井 徹 大阪府立看護大学, 総合リハビリテーション学部, 助教授 (40274196)
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Keywords | 調節性T細胞 / 原虫 / DNAワクチン / トリパノソーマ / 細胞内寄生 |
Research Abstract |
近年、調節性T細胞(Treg細胞)といった免疫応答を調節する特殊な細胞群が発見され、その機能欠損は自己免疫疾患といった免疫機構の破綻を引き起こすことが明らかになった。In vivoにおけるTreg細胞の除去は腫瘍の拒絶を引き起こし、またマラリアの場合は致死感染を防御することが報告されている。すなわちTreg細胞は宿主側としてはエフェクター細胞の活性化を抑制的に作用すると共に病原体としてはTreg細胞を抑制することが宿主免疫機構からのエスケープ機構の一つであることが想定される。そのため本申請計画では、細胞内寄生性原虫感染症におけるTreg細胞の意義について比較検討を行った。クルーズトリパノソーマ感染マウスに抗CD25抗体を投与しTreg細胞を消失させると虫血症レベルの低下が認められた。このことより、クルーズトリパノソーマ感染でもマラリア感染と同様Treg細胞の抑制が原虫側の重要なエスケープ機構の一つであることが示された。また、DNAワクチンにおけるTreg細胞の役割を解明するために、DNAワクチン時にTreg細胞を除去した影響を観察した。するとTreg細胞を除去すると抗原特異的CD8+T細胞の誘導が上昇し、Treg細胞の制御は有効なDNAワクチン開発を行う上でキーポイントとなることが示された。
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