2004 Fiscal Year Annual Research Report
Mycoplasma penetransの膜リポタンパク質発現機構の解析
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15790232
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
堀野 敦子 国立感染症研究所, 細菌第二部, 研究員 (90270652)
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Keywords | Mycoplasma penetrans / 膜リポタンパク質 / DNA inversion / site-specific recombinase / tyrosine recombinase / 抗原変異 / 寄生細菌 |
Research Abstract |
プロモーター逆位に関わる組換え酵素と酵素の抗体の作成 Mycoplasma penetransのゲノムにはP35ファミリー膜リポタンパク質と呼ばれるリポタンパク質の遺伝子が38個存在し、ゲノムの三カ所でクラスターを形成している。これらの膜リポタンパク質遺伝子の発現パターンが変化することにより、M.penetrans細胞表面の抗原性が変化する。この抗原変化を利用してM.penetransは宿主の免疫を回避していると考えられている。我々はこれまでに、この発現パターンの変化はそれぞれの遺伝子が持つ個別のプロモーターが逆位を起こすことにより調節されていること、また、これらのプロモーターの逆位に関与する因子がλ-integraseファミリーのXerC/D組換え酵素にホモロジーのある酵素、MipR(Recombinase for Multiple Invertible Promoter)であることを明らかにした。 今回我々は、MipRと膜リポタンパク質プロモーターの逆位の相互作用の解析をさらに進めるために、MipRの大腸菌内での大量発現、並びにMipR抗体の作成を行った。また、M.penetransはXerC/Dファミリーの組換え酵素をMipRの他にもう一つ有している。マイコプラズマ種にはM.penetrans以外にも膜リポタンパクを変化させる能力を持つものが報告されているが、それらはこの組み換え酵素を一種類しか保有していない。M.penetransのORF、MYPE8180は、ホモロジー解析から組換え酵素であることが推測された。しかし、実験の結果P35ファミリー膜リポタンパク質プロモーターの逆位には関与していなかった。MYPE8180の働きはこれまでのところ明らかになっていないが、他の菌でのXerC/D組換え酵素の働きから、重要な役割を果たしていることが予想される。このため、このMYPE8180についても大量発現と抗体作成を行った。
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Research Products
(2 results)