2004 Fiscal Year Annual Research Report
劇症型溶レン菌感染症起因菌が産生するホスホリパーゼA2の病原因子としての機能
Project/Area Number |
15790234
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
池辺 忠義 国立感染症研究所, 細菌第一部, 研究員 (20333362)
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Keywords | Streptococcus pyogenes / 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 |
Research Abstract |
昨年度の研究から、Streptococcus pyogenesのゲノム上にコードされているフォスフォリパーゼ様のタンパク質PLA_2(Sla)が、マウスの筋肉細胞に対して細胞障害活性があることを確認した。本年度の研究では、この細胞障害活性が、マウスの筋肉細胞に特異的であるのか、それともヒト由来の培養細胞にも細胞障害活性を有するのかを調べた。細胞障害活性は、細胞が破壊した場合に培養液中に流出する細胞内タンパク質であるLactate dehydrogenase(LDH)の活性を指標として測定した。まず、フォスフォリパーゼ様のタンパク質PLA_2(Sla)をコードする遺伝子の突然変異体の作製を試みた。突然変異体の作製は、温度感受性のoriをもつプラスミドを用いた。そのことにより、in frameの欠失体を作製することに成功した。この突然変異株を用いて、どの組織由来の細胞に作用するかを調べるため、ヒト由来の様々な培養細胞を用い、細胞特異性を調べることにした。培養細胞は、劇症型溶血性レンサ球菌感染症で症状の現れる組織で、かつ、扱いやすいがん細胞を選んだ。選んだ細胞は、肺上皮細胞(A549)、横紋筋細胞(A673)、喉頭上皮細胞(CCL-138)、肝臓上皮細胞(HepG2)である。これらの細胞を培養し、野生株及びsla突然変異株を加えた時の細胞の変化や細胞の障害活性を調べた。今回の研究で、細胞障害活性を示す様々な条件の検討を行ったが、野性株あるいは突然変異株を各細胞へ感染させたとき明らかな変化は見られなかった。
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Research Products
(7 results)