2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規NFAT活性化因子Nfam-1のin vivoにおける機能解析
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15790257
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
竹内 新 独立行政法人理化学研究所, 免疫制御モジュール研究チーム, 研究員 (00360579)
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Keywords | NFAT / Nfam-1 / ノックアウトマウス / キメラ分子 / 顆粒球 |
Research Abstract |
本研究では、新規NFAT活性化分子として単離したNfam-1が生体内でどのようにリンパ球の分化や免疫応答に関与するのか、Nfam-1トランスジェニックマウスやノックアウトマウスを用いて解明することを目的としている。今回、Nfam-1ノックアウトマウスが完成し、T, B細胞を主とした表現型の比較及び機能解析を行った。また、Nfam-1結合タンパク質の単離を試みることでNfam-1と他のタンパク質との相互作用を分子レベルで解明することを目指した。 1、Nfam-1ノックアウトマウスの骨髄、脾臓、胸腺を摘出し、細胞数及び主な細胞表面マーカーの発現からT、B細胞などリンパ球の分化への影響を比較したが、野生型マウスとの大きな違いは認められなかった。また、精製したT, B細胞を抗体で刺激後、細胞の増殖、サイトカイン産生、抗体産生量等の機能面での比較を行ったが、いずれもポジティブな結果は得られなかった。これらの結果より、Nfam-1ノックアウトマウスでは異なるシグナル伝達分子が代用され、複雑な免疫応答反応を維持している可能性が考えられる。 2、Nfam-1は細胞外領域にヒト、マウス間で高度に保存されている領域が存在しており、リガンドの存在が予想され、単離を試みた。マウスNfam-1の細胞外領域とヒトIgGのFcドメインとのキメラ分子を作製し、リンパ球系の細胞株との結合の有無をFACSで確認した。その結果、数種の細胞株でキメラ分子との結合を認めた。現在までにその分子を単離する事はできなかったが、今後も継続する予定である。 最近、Nfam-1は顆粒球で最も強く発現している事が判明した。顆粒球はT, B細胞と類似のシグナル伝達系を有しており、この分子を解析する上で良いモデルとなる可能性が高い。顆粒球の分化、機能解析等を検討しているが、現在までには明らかにする事ができず、今後の検討課題となった。
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Research Products
(1 results)