2003 Fiscal Year Annual Research Report
肺炎クラミジアが分泌する封入体膜タンパク質の解析と感染症診断への応用に関する研究
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15790276
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
堀井 俊伸 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (80283430)
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Keywords | 肺炎クラミジア / 基本小体 / 封入体タンパク質 / 主要外膜タンパク質 / Inc / MOMP / 迅速検査診断法 / 免疫学的検出 |
Research Abstract |
本研究は,肺炎クラミジア感染症の検査診断法として,日常診療で利用できる簡便な迅速診断法の開発を目的に展開するものである。検体中の抗原あるいは抗体を免疫学的手法により検出することが可能なアッセイ系を構築しようとするものであり,本年度は,これらの構築のために必要となるであろう種々のタンパク質(抗原)を準備するとともに,それらの抗原に対する抗体の作成を行った。 抗原として利用可能であろうと考えられるタンパク質として,基本小体(EB),主要外膜タンパク要(MOMP),封入体膜タンパク質であるIncファミリーに着目した。EBは,Hep-2細胞に肺炎クラミジアを感染させることにより抽出して粗精製品を作成し,これを試料(抗原)としたMOMPは,EBの粗精製品より濃度勾配遠心の分画として精製すると同時に,合成ペプチドの作成も行い,試料(抗原)作成した。Incは,発現ベクターを利用することにより精製を行った。まず,Hep-2細胞を用いて培養した標準株より染色体DNAを抽出し,incA,incB,incC遺伝子群をPCR法により増幅した。それらのPCR産物を発現ベクターにクローニングし,inc遺伝子群を発現させるための最適な条件を検討し設定した。至適条件下での発現によって得られたIncA,IncB,IncCはHis-tagを利用して精製し,試料(抗原)を作成した。 引き続き,これらの実験から得られた試料(抗原)を調整し,家兎に免疫を行い,抗EB抗体,抗MOMP折体,抗Inc抗体の作成を試みた。EB,MOMP(合成ペプチド)IncA,IncCを抗原として免疫した家兎においては抗体価の上昇を認め,抗血清を得ることができた。
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