2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790296
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市川 政雄 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20343098)
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Keywords | 外傷 / 社会医学 / 公衆衛生学 / 健康科学 |
Research Abstract |
研究目的:平成15年度より救命救急センターを中心に、各施設の外傷登録を全国規模でデータベース化する作業が開始された。本研究ではデータベース化に先立ち、各施設における外傷登録の状況と問題点を検討した。 方法:全国の救命救急センターと大学病院救急部を対象にアンケート調査を行った。アンケートのおもな内容は、日本外傷学会の試案「外傷データバンク」に含まれる登録項目(診療記録)、外傷登録の実施体制の現状(入力スタッフ・コンピュータの有無、データベース・ソフトなど)、外傷データバンク(全国規模のデータベース化)への参加の可否である。また、各施設におけるデータ入力に伴う負担やデータベース化への期待の度合を10点満点で評価した。 結果:有効回答の84施設のうち、46施設(55%)は診療記録のデータをコンピュータ入力しており、9施設(17%)がデータ入力をおもな仕事とするスタッフを有していた。データ入力の負担度合は平均6.7点(高いほど負担大)だった。データ入力スタッフを雇用できない最大の理由は予算不足だった。61施設(76%)が外傷データバンクに参加予定と答え、外傷データバンクに対する期待度合は、医療の質の評価については平均7.4点、研究における有用性については平均7.5点(ともに高いほど期待大)だった。 考察:全国規模のデータベース化に大きな期待が寄せられている。一方、データ入力に伴う負担の軽減が課題となっている。来年度は外傷データバンクの参加・不参加施設を特定し、参加を阻む要因を今年度収集したベースラインデータをもとに検討する。 その他:タイ保健省・コンケン病院外傷センターの外傷登録制度を活用した研究の打合せを行った。
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