2003 Fiscal Year Annual Research Report
身体活動に影響を与える環境要因に関する研究―環境要因評価尺度の開発―
Project/Area Number |
15790304
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
井上 茂 東京医科大学, 医学部, 助手 (00349466)
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Keywords | 身体活動 / 環境 / 評価 / 行動変容 |
Research Abstract |
本研究の目的は身体活動に影響を与える環境要因の評価尺度を開発することである。初年度は先行研究を検討して環境要因評価方法の整理を行い、本研究で検討する質問紙を作成した。 1)環境要因評価方法の整理:先行研究ではおおよそ以下の3方法が試みられている。(1)質間紙法、(2)地理情報システムを用いた方法、(3)調査者による実際の環境の観察、である。内容的には物理的環境と社会的環境に大別された。また、目的とする行動別に、A.「運動」の環境、B.「歩行・自転車」の環境、C.「運動・身体活動全般」の環境、などが区別された。 2)質問紙の作成:本邦では先行研究がほとんど認められず、今後の調査の実現性、必要な先行情報などを考慮すると質問紙法が研究開始のステップとして妥当と考えられた。様々な質問紙の中でも「国際版身体活動質問紙(IPAQ)」(米国CDCとWHOが中心となって開発)のオプションとして用意されているIPAQ環境質問紙は、現時点における欧米の知見から選りすぐられた項目で構成されており、これを翻訳して検討することが今後の研究を進める上で有用と考えられた。そこでIPAQ環境質問紙の担当者と情報交換を行いながら、この質問紙の日本語訳を作成した。質問は「住居密度」「商店・交通機関・レクリエーション施設へのアクセス」「近隣の安全性」「魅力的な景観」などの11項目により構成されている。翻訳後に研究とは無関係なバイリンガルに英語への再翻訳を依頼し、これをIPAQ環境質問紙担当者に送って内容を確認した。 3)信頼性・妥当性の検討:信頼性・妥当性の検討は第2年度の課題だが既にデータ収集を開始している。現時点で関東地方に在住する成人103名(20-72歳、男性62%)のデータが得られている。 来年度は信頼性・妥当性の分析を進め、質問紙の修正や新たな質問項目の追加についても検討する予定である。
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