2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790314
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
茂木 康一 群馬大学, 医学部, 助手 (80344919)
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Keywords | 解剖所見 / カエンタケ / 致死量 / 中毒 |
Research Abstract |
2000年10月に、我々はカエンタケ(Podostroma cornu-damae)による中毒死亡例を経験した。カエンタケはポドストロマ属の、高さ3〜8cm、帯橙色、先端が丸い、日本およびジャワ原生のきのこであり、希少種である。その中毒症状は他のきのこ中毒にも認められる消化器症状の他に、高度な皮膚粘膜症状、代謝性アシドーシス、急性腎不全、ショック、無尿、DIC、肝不全といった他のきのこ中毒に認められない特異で激烈な症状を呈し、食後約4日目に死亡した。解剖所見は、外表所見として軽度の黄疸、胸腹部に点状出血多数が散在し、内部所見および病理組織学的所見として、肝臓に急性脂肪肝、腎臓に広範な尿細管上皮細胞変性・壊死などが認められた。本症例は第6例目の中毒事故例であり、第2例目の死亡例のうえ、本邦初の剖検例である。第1例目の死亡例の臨床経過・症状は本例に極めて類似していた。いずれもの症例も摂食量約1gで死亡している。カエンタケの中毒症状は他のきのこ中毒に見られない特徴を有していた。食中毒を呈する毒性分は未知であり、毒成分の解析は急務でおる。 2001年および2002年の2年間にわたり、我々は、死者がカエンタケを採集した同一の山でカエンタケを採集し、合計約100gのカエンタケを保有している。カエンタケ抽出物はマウス腹腔内投与により、強力な致死作用を呈した。これを試料として、1)毒成分の効率的抽出方法の確立、2)マウスへの致死作用を目安に、各種クロマトグラフイー法を利用する毒成分の精製方法の確立、3)GC/MS法、LC/MS/MS法、NMR法などを利用する毒成分の化学構造の解析および同定、4)マウスに対する致死量やLD_<50>値の測定などを実施し、成果を得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 茂木 康一: "カエンタケ誤食によるきのこ食中毒死例:臨床経過および解剖所見"犯罪学雑誌. 69・1. 14-20 (2003)
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[Publications] Kouichi Mogi: "Carp hepatopancreatic DNase I : biochemical, molecular and immunological properties"Journal of Biochemistry. 133・3. 377-386 (2003)
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[Publications] Toshihiro Yasuda: "A simple method of DNA extraction and STR typing from urine samples using a commercially available DNA/RNA extraction kit"Journal of Forensic Sciences. 48・1. 108-110 (2003)
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[Publications] Toshihiro Yasuda: "Abrupt pubertal elevation of DNase I gene expression in human pituitary glands of both sexes"FEBS Letters. 510・1/2. 22-26 (2002)
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[Publications] Tamiko Nakajima: "Production and characterization of murine monoclonal anti-human DNase II antibodies, and their use for immunoaffinity purification of DNase II from human liver and urine"Biochimica et Biophysica Acta. 1570・3. 160-164 (2002)
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[Publications] Toshihiro Yasuda: "Usefulness of deoxyribonuclease I (DNase I) polymorphism for individualization from aged urine stains"Legal Medicine. 5・2. 104-106 (2003)