2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳マイクロダイアリシス法によるアルコール禁断症状と神経伝達物質動態の薬理学的解析
Project/Area Number |
15790324
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Research Institution | Meiji College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
新原 寿志 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 助手 (70319523)
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Keywords | アルコール中毒 / モルヒネ中毒 / 禁断症状 / マイクロダイアリシス / 脳 / 神経伝達物質 / ドパミン |
Research Abstract |
1.アルコール中毒動物モデルの作製 アルコール中毒動物モデルは、ラット(Sprague Dawley系、♂、7週令)大腿動脈カテーテルを経由した持続的エタノール投与による作製を予定していたが、下肢の循環障害に伴う自傷行動が見られたため中止し、吸入法および液体試料法により作製を試みた。その結果、吸入法(エタノール蒸気<120mg/min/10 L air>10日間、ピラゾール投与<1mmol/kg/day, i.p.>)では、摂食量の減少に伴い体重および衰弱が著しく、禁断症状と思われる行動を観察することはできなかった。一方、液体試料法(エタノール含有液体飼料<2.5-5.0%>、30-70日間)では、対照群に比べ禁断後3-5時間後より、不動あるいは睡眠特間の短縮、それに伴う立ち上がり行動、探索行動、身づくろい、自発運動量の増加といった禁断症状と思われる行動が観察された。 2.モルヒネ中毒動物モデルの作製と脳マイクロダイアリシス モルヒネ中毒動物モデルは、予定のペレット法を変更し、モルヒネ(10-120mg/kg/12h, i.p.)の腹腔内投与により作製を試みた。その結果、ナロキソン,(1mg/kg, s.c.)誘発禁断直後より、著明な探索行動、立ち上がり、ジャンプ、歯ぎしり及び流涎、下痢、鼻出血といった禁断症状が観察され、この禁断前後における脳マイクロダイアリシスを行なったところ、細胞外ドパミンは線条体と側坐核では減少傾向、前頭前野皮質では著明な増加を示した。 これらの結果をもとに、アルコール中毒ラットのマイクロダイアリシスを行ない、禁断症状発現前後における各脳領域の神経伝達物質動態の解析と薬理学的検討による禁断症状発現のメカニズム、さらには、これらに及ぼす漢方薬と鍼灸刺激の影響について検討を行う予定である。
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