2005 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス反応性うつ状態におけるヒト脳内ヒスタミン神経系の関与
Project/Area Number |
15790326
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鹿野 理子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (20344658)
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Keywords | うつ状態 / 受容体PET / ヒスタミンH1 / ストレス |
Research Abstract |
東北大学病院、心療内科通院・入院中の男性患者より、DSM-IVに基づきうつ状態を診断、病歴、身体的、神経学的診察、ならびに血液検査、尿検査にてうつ状態以外の疾患を否定した。薬剤使用歴を検討した上で、リクルートのクライテリアを満たす患者に、PET検査の趣旨を十分に説明し、文書による同意を得た。うち数名につきドキセピンPET検査を行った。また、リクルートした患者とほぼ同年齢の対照健常者数名PET検査参加者としてリクルートし、病歴、身体神経学的診察を行い、身体、精神状態の評価を行った上でPET検査の説明を行い、文書による同意を得て、ドセキセピンPET検査を行った。うつ病群、対象群ともに、MINI、HAM-A、HAM-D、MMP1、SDS、CMI、STAI、の心理検査を行い、心理面、ストレス傾向の評価を行った。PET検査は東北大学サイクロトロンRIセンター核薬学部にて放射性選択的ヒスタミンH1受容体リガンド[11C]-Doxepinを製造し、被験者を東北大学サイクロトロンセンターPET室でベッド上安静とし、経静脈的に[11C]-Doxepinを約5mCi投与して、脳の放射能を三次元PETカメラ(SET2400w)にて90分撮像した。得られた画像よりgraphycal analysis(Logan et al., 1990)を用いてヒスタミンH1受容体のBP(Binding potential)を画像し、うつ状態群、対象群での比較検討を行った。SPMを用いて、うつ状態患者で有意にヒスタミンH1受容体BPの低下が認められた。また、心理検査のSDSスコアでうつ傾向が高い個体ほど、脳内ヒスタミンH1受容体BPの低下傾向が強いことが認められ、論文化するとともに複数の学会、研究会等で発表した。
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Research Products
(4 results)