2003 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤性肝障害、肝内胆汁鬱滞症における核内オーファンレセプターCARの役割
Project/Area Number |
15790337
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
柿崎 暁 群馬大学, 医学部, 助手 (80344935)
|
Keywords | 薬剤性肝障害 / 肝内胆汁鬱滞 / CAR / 核内レセプター / 薬物代謝酵素 |
Research Abstract |
1.肝内胆汁鬱滞起因性薬剤のIn vitroでの代謝酵素への影響 CARを持続発現したHepG2細胞において、実験的肝障害及び胆汁鬱滞モデルに用いられている薬剤を検討したところ、17β-estradiol-glucuronide、17α-ethynylestradiol、chlorpromazineの3剤はCARの存在下でUGT1A1、CYP2B6の遺伝子プロモーターのluciferase reporter活性を有意に上昇させた。また、Real time PCR法にてUGT1A1、CYP2B6 mRNAを測定したところ、薬剤投与にて有意に上昇した。 2.CARノックアウトマウスを用いた解析 四塩化炭素による急性肝障害はCARノックアウトマウス(KO)では、ワイルドタイプマウス(WT)に比べ、血液生化学的にも組織学的にも,軽度であった。肝障害はCARのinducerであるphenobarbital (PB)で前処置することにより著明となり、逆に、CARに抑制的に働くandrostanolを投与することにより軽度となった。WTではPB刺激によりCYP2B、CYP3A、GSTpi、P-450 reductaseが誘導されるのに対し、KOでは誘導されなかった。四塩化炭素による急性肝障害は、主に四塩化炭素の活性代謝体(CCl_3,Cl_3COO)によって起ると報告されている。肝臓組織中の還元型グルタチオンは産生された活性代謝体量を反映す局が、PB処置により還元型グルタチオンの減少が著明になった。すなわち、CARにより誘導された代謝酵素群が四塩化炭素を代謝し、その活性代謝体が増加し肝障害を惹起するためWTではKOと比べ肝障害が強くなった。
|