2003 Fiscal Year Annual Research Report
クローン病腸管MacrophageにおけるLPS誘導アポトーシスの回避
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15790364
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
深田 雅之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70338937)
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Keywords | クローン病 / Macrophage / Connexin43 / アポトーシス |
Research Abstract |
クローン病におけるCx43によるMacrophageのアポトーシス調節異常の解明のため以下の検討を行った. 1)文書による承諾の上,健常人6人(cont),Crohn病患者(CD)6人,潰瘍性大腸炎患者(UC)12人から大腸粘膜を採取しMacrophageを抽出,Flow CytometryでMacrophageにおけるCx43陽性率を測定したところ,CD(42.5±16.2%),UC(25.0±17.0%)で,cont(6.4±8.3%)と比して高かった(P<0.001).同様にCD14の陽性率は,CD(32.3±8.5%),UC(41.2±5.8%)で,cont(2.1±12.4%)と比して高かった(P<0.001)が,TLR4の染色性は十分に得られなかった.TUNEL法を用いたアポトーシスの検討では3群間で有意な差を認めなかった. 2)上記患者の末梢血単球を抽出し,ATP添加後のCx43mRNA発現を確認したところ,CD6人中4人に,UC12人中5人に,cont6人中2人に有意なパンドが確認され,CDとUCでは,Cx43mRNA発現と内視鏡的活動度との間に有意な相関を認めた.免疫染色で細胞内Cx43の局在を確認し,contではCx43陽性細胞はほとんど観察されず,CDとUCではCx43は,主に細胞膜上に分布し,CDでは細胞質にも分布が確認された.この結果は,大腸粘膜のCx43分布と一致しており,電子顕微鏡による詳細な発現分布を確認中である. 以上の結果は,CDとUCの病態において,単球-Macrophage系細胞におけるCx43発現が関与していることを示唆し,特にCDではその発現異常が認められることを示す.今回,アポトーシスに関した有意な情報は得られていないが,少なくともCDにおける腸管免疫寛容の破綻を解明する糸口を掴んだと考えている.
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