2004 Fiscal Year Annual Research Report
変異型サイトケラチン遺伝子導入による中間径フィラメントと細胞質内凝集体の機能解析
Project/Area Number |
15790371
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
花田 慎一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (30360283)
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Keywords | アグリソーム / サイトケラチン / マロリー体 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
【目的】中間径フィラメント(IF)を含む細胞骨格はjunctional complexと密接な関係を持つが、タイト結合(TJ)、接着結合(AJ)とIFとの関連は不明である。一方、各種肝疾患ではIFの網目構造消失と凝集体形成がみられ、この形態学的特徴はマロリー体として知られているが、その細胞生物学的意義は不明である。今回我々は培養細胞を用い、変異型サイトケラチン(CK)遺伝子導入による凝集体形成時のTJ、AJ関連蛋白を含む細胞内蛋白の局在、細胞形態について検討した。【方法】Green fluorescent proteinで標識した野生型、変異型CK18遺伝子(arg89cys ; CK18 R89C)を作製し、培養ヒト肝癌由来細胞(Huh7)、ヒト不死化肝細胞(OUMS-29)、MDCK細胞、HEK293細胞に遺伝子導入を行った。48時間後、「間接蛍光抗体法にて各種蛋白を染色し、共焦点レーザー顕微鏡で観察した。また、変異型CK18遺伝子導入細胞を電子顕微鏡にて観察した。【成績】変異型CK18遺伝子導入によりIFの網目構造が消失し、凝集体が形成された。これらの細胞では細胞面積の増加と形態変化がみられた。電子顕微鏡による観察では、凝集体は形質膜を持たず、細胞内小器官を含有し、周囲には線維性構造物がみられた。免疫染色では、膜裏打ち蛋白(ZO-1、β-catenin、desmoplakin)、glucose-6-phosphate dehydrogenase、14-3-3ζ蛋白は凝集体と共在していた。この局在変化は膜蛋白(occludin、 E-cadherin)ではみられなかった。【結論】IFの関与する凝集体形成は細胞内蛋白の局在に影響を与え、その結果細胞の機能に影響を与えることが推測される。またIFが細胞の形態維持に重要であると考えられた。
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Research Products
(1 results)