2003 Fiscal Year Annual Research Report
受容体欠損マウスを用いた虚血―再灌流障害におけるプロスタグランジンE2の役割解明
Project/Area Number |
15790374
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
結城 幸一 旭川医科大学, 医学部, 助手 (80302420)
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Keywords | プロスタグランジン / 心筋虚血 / 再灌流障害 / 心筋梗塞 / 受容体欠損マウス |
Research Abstract |
本研究の目的は、虚血-再灌流障害におけるプロスタグランジン(PG)E_2の役割を受容体欠損マウスを用いて解明することである。本研究によって、以下のことを明らかにした。 急性心不全のモデルとして、虚血-再灌流障害のin vivoとex vivoの実験を行った。in vivoの実験では、左冠動脈を1時間結紮し、その後、再灌流を24時間行い、梗塞サイズを測定した。この結果、心筋梗塞サイズは野生型と比較してPGE_2の受容体に一つであるEP_4の欠損マウスにおいて著しい増加を認めた。つまり、心筋の虚血-再灌流障害に対して、内因性PGE_2はEP_4を介して心筋保護に働くことを初めて明らかにした。ex vivoの実験では、摘出灌流心への灌流液の供給を遮断し、その後再灌流を行い、心機能の変化を解析した。その結果、野生型マウスに比較し、EP_4欠損マウスでは、再灌流時のdeveloped tensionの回復が抑制され、CK遊出量は高値を示した。つまり、内因性PGE_2の心筋保護作用には、EP_4を介した心臓への直接作用も含まれていることが初めて明らかとなった。さらに、選択的EP_4アゴニストを用いて、急性心筋梗塞の治療薬としての可能性について検討した。野生型マウスに対し、虚血前、あるいは虚血中に選択的EP_4アゴニストを投与し、再灌流を行い、24時間後の心筋の梗塞サイズを解析した。その結果、虚血前、虚血中の両方において、EP_4アゴニストは梗塞サイズの有意な低下を引き起こした。この作用は、EP_4欠損マウスにおいて完全に消失した。よって、外因性に投与したEP_4アゴニストは、EP_4を介して虚血心筋保護に働くことを初めて明らかにした。
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Research Products
(1 results)