2004 Fiscal Year Annual Research Report
エストロゲンの心肥大に及ぼす影響-アロマターゼ・ノックアウトマウスを用いた検討-
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15790385
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山崎 直仁 高知大学, 医学部附属病院, 助手 (90284447)
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Keywords | エストロゲン / 心肥大 / アロマターゼ |
Research Abstract |
1.研究の目的:本研究では、エストロゲンの心肥大に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。 2.研究方法:アロマターゼ遺伝子欠損マウスは、アンドロゲン→エストロゲン変換酵素であるアロマターゼが欠損する結果、エストロゲンが産生されない。30週齢のメスのホモのアロマターゼ遺伝子欠損マウスを用いエストロゲンの心臓への影響につき以下の検討を行った。 (1)解剖学的変化:心重量の測定+組織切片にて心筋細胞肥大の有無、間質の線維化の有無を検討した。 (2)心機能:心臓の超音波検査を施行し、心臓のサイズ、心臓の収縮性を計測した。 (3)心臓での遺伝子発現:心臓よりmRNAを抽出、定量的PCR法を施行し、遺伝子発現の変化につき検討した。 (4)容量負荷に対する反応:大動脈-下大静脈シャントを作成し、心臓に容量負荷をかけ、変化を調べた。 3.研究の成果 (1)アロマターゼ遺伝子欠損マウスでは野生型と比較し、心重量の増加は認められなかった。組織学的検討でも、心筋細胞の肥大所見は認められず、間質の線維化の程度も野生型と同様であった。 (2)心エコーで計測した遺伝子欠損マウスの心臓のサイズ、収縮性は正常に保たれており、野生型との間に有意差を認めなかった。 (3)心肥大のマーカー遺伝子(ANP,BNP),心肥大を生ずる遺伝子(ACE,Endothelin-1,Cardiotrophin-1,TNF-α,IGF-1),Caハンドリングに関連する遺伝子(L型Caチャンネル、SERCA),心臓で発現するイオンチャンネル遺伝子(Kv1.5,Min K,KvLQT1,MiRP1,ERG-1)の発現は、野生型と、遺伝子欠損マウスとの間で差を認めなかった。 (4)容量負荷に対する反応においても、野生型との間で有意差認めなかった。 *現在までのところ、negative dataしか得られておらず、研究結果をまだ発表できていない。
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