2003 Fiscal Year Annual Research Report
マウス免疫複合体型糸球体腎炎モデルにおける半月体形成特異遺伝子のクローニング
Project/Area Number |
15790426
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 芳男 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50359577)
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Keywords | マウス糸球体腎炎モデル / 半月体 / RDA法 |
Research Abstract |
(1)マウス免疫複合体型糸球体腎炎モデルの作製と組織像の評価. B10-BRマウスおよびB10-D2マウスにウシ血清アルブミン(BSA)をFreund's completeアジュバントとともに免疫し,抗体価上昇確認後,連日BSAを腹腔内投与した.BSAを投与開始から3週後,4週後に全採血,腎摘出をおこなった.腎組織所見にて3週後のマウス腎には半月体が存在せず,4週後にはほぼ100%の糸球体に半月体が存在することおよび,免疫染色にて4週後のマウス腎にIgG,C3が沈着していることを確認し,サブトラクションに適当な状態であることが判明した. (2)本モデルにおけるマウス系統差の検討. B10-BR,B10-D2は比較的特殊な系統であり,最も汎用されているC57BL/6において半月体形成性腎炎モデルの作製可否を検討した.(1)と同条件では,マウス腎にはメサンギウム増殖性糸球体腎炎は惹起され,尿蚕白の増加,IgG,C3の沈着は認められたが,半月体の形成は全くみられなかった.BSA以外の異種蛋白を免疫することも検討し,卵白アルブミン(OVA)を用い,C57BL/6マウスにて同様の実験を行なったところ,尿蛋白の増加,IgG,C3の糸球体内沈着を伴うメサンギウム増殖性腎炎が惹起され,およそ5%以下の糸球体で小半月体が存在したが,本研究の目的であるサブトラクションによる半月体特異遺伝子のクローニングには使用不適であることが判明した. (3)糸球体単離プロトコールの作製. 腎組織の構造を考慮すると,半月体が形成される糸球体以外の尿細管・間質の部位が大部分であり,本研究においてmRNAの抽出は単離糸球体から施行すべきと考えられた.ラット糸球体単離法を参考にマウス糸球体単離プロトコールを作製した. (1)〜(3)の予備実験が終了しており,RDA法によるサブトラクションを準備中である.
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