2005 Fiscal Year Annual Research Report
マウス免疫複合体型糸球体腎炎モデルにおける半月体形成特異遺伝子のクローニング
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15790426
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 芳男 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50359577)
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Keywords | マウス実験腎炎 / 半月体 / cDNA-RDA / Line-1レトロトランスポゾン / in situ hybrdization / 治療薬 |
Research Abstract |
(1)マウス免疫複合体型糸球体腎炎モデルにおいて半月体形成期に腎臓内で特異的に発現するLine-1レトロトランスポゾンの局在解析 マウス免疫複合体型糸球体腎炎モデルの半月体形成期の腎(GN4W),半月体形成前の腎(GN3W),対照マウスでGN4W, GN3Wと同週齢のものの腎(それぞれCont4W, Cont3W)標本を作製した.Line-1レトロトランスポゾンの逆転写酵素の部位に対するRNAプローブにてin situ hybridization法による局在解析を行った.Cont4W, Cont3Wにおけるバックグラウンドの発現は腎髓質に強く認められた.GN3Wに比し,GN4Wでは,半月体を形成している細胞,半月体を形成した糸球体周囲の尿細管に強く発現していた. (2)薬剤による発現抑制介入実験 文献上レトロトランスポゾンを抑制する薬剤が存在する.この薬剤を入手し,再度マウス免疫複合体型腎炎モデルの経過中に経口投与した.溶媒のみを投与した対照群では,当然ながらマウスは重篤な腎炎を惹起し,高死亡率を呈したが,薬剤投与を受けた群では死亡率の改善および半月体形成の抑制が認められた.現在,確認のため再実験の施行中である. (1),(2)より,Line-1レトロトランスポゾンはマウス免疫複合体型腎炎の半月体形成に関わる重要な因子であり,本因子の抑制薬は腎炎の新しい治療薬の可能性であることが示唆された.
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Research Products
(12 results)