2003 Fiscal Year Annual Research Report
Notch S3部位の切断に関与するプレセニリン高分子複合体構成因子について
Project/Area Number |
15790445
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
荒若 繁樹 山形大学, 医学部, 助手 (00344789)
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Keywords | 細胞・組織 / 神経科学 / 蛋白質 / 痴呆 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
アルツハイマー病は,アミロイドβタンパク(Aβ)の蓄積によって神経細胞死に至るカスケードが引き起こされると考えられている。Aβを産生するプレセニリン/γセクレターゼ・コンプレックスの解析は,アルツハイマー病発症のメカニズム解明のみならず、治療ターゲットを絞るという意味で重要である。γセクレターゼの基質はアミロイド前駆体タンパク以外に,Notchが知られている。しかし、γセクレターゼが何であるのか、基質の特異性を規定する因子が別にあるのかについては、いまだ不明である。私達は、プレセニリン以外にγセクレターゼ活性に影響を与える因子が存在するという仮説のもと,γセクレターゼが制御する切断点(S3-siteと呼ばれる)並びに細胞内切断部位(細胞表面)が明解なNotchを対象として、Notch S3-siteの切断に関与するタンパク質を検索することを目的とした。 平成15年度は,Notch S3-siteを含むコンストラクトをベイトにして、これと相互作用するタンパク群をプレセニリン高分子複合体のなかから抽出することを研究目標として設定した。具体的には,タグのついたNotch S3-siteを含むコンストラクトを安定発現させる細胞株を作成し、高発現細胞株を得た。この細胞株から膜画分を分離し、Notchと結合するプレセニリン複合体を免疫沈降法で検討している。膜画分を可溶化するために用いる界面活性剤の種類により、Notchとプレセニリン複合体の結合反応は変化するため,いくつかの界面活性剤について,Notchとプレセニリン複合体の結合を観察する最適な条件を検討中である。今後、マススペクトロメトリーなどを用いて,免疫沈降物中にあるタンパク質を検索する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Wada M: "A human granin-like neuroendocrine peptide precursor (proSAAS) immunoreactivity in tau inclusions of Alzheimer's disease and parkinsonism-dementia complex on Guam."Neurosci Lett. 356. 49-52 (2004)
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[Publications] Kikuchi K: "An N-terminal fragment of ProSAAS (a granin-like neuroendocrine peptide precursor) is associated with tau inclusions in Pick's disease."Biochem Biophys Res Commun. 308. 646-654 (2003)
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[Publications] Chen F: "Presenilin 1 and presenilin 2 have differential effects on the stability and maturation of nicastrin in Mammalian brain."J Biol Chem. 278. 19974-19979 (2003)