2004 Fiscal Year Annual Research Report
Notch S3部位の切断に関与するプレセニリン高分子複合体構成因子について
Project/Area Number |
15790445
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
荒若 繁樹 山形大学, 医学部, 助手 (00344789)
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Keywords | 細胞・組織 / 神経科学 / 蛋白質 / 痴呆 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の原因であるAβを産生するプレセニリン/γセクレターゼ複合体の解析は、アルツハイマー病発症のメカニズム解明に重要である。γセクレターゼの基質はアミロイド前駆体タンパク以外に、Notchがある。しかし、基質特異性を規定する因子については、不明である。本研究は、Notch切断点(S3部位)に関与するγセクレターゼ構成因子を検索することを目的とした。 Mycタグを結合したNotchを安定的に発現するHEK293細胞を得た。この細胞株からγセクレターゼ複合体を含む膜画分を効率よく抽出するために、数種の界面活性剤で可溶化した抽出液について、免疫沈降法でプレセニリンとの結合を検索した。CHAPSOの使用によって比較的多くの複合体を得られることがわかった。Notchは、活性型のプレセニリン切断断片のみならず、全長型とも結合していることが示された。また、S3部位を欠損したNotchでも、同様のプレセニリンとの結合が認められた。Notchは、S3切断点ではなく、S3部位よりC末端領域でプレセニリンと結合すること、さらに、プレセニリンが未熟のうちにNotchと出会うこと示された。 次に、γセクレターゼ構成因子を同定するため、CHAPSO可溶性膜画分をMycに対する抗体を用いて、免疫沈降し、沈降産物を電気泳動した。通常のCBB染色法で認め得るようなバンドは観察されなかった。高感度検出法であるSypro Rubyを用いて染色すると、陰性対照の抗体沈降物中に認められない数本のバンドを観察した。現段階では、これらのバンドは、極めて微量しか得られていないために、マススペクトロメトリーで同定することに成功していない。しかし、分子量的に、プレセニリン、Aph-1、NCT、Ren-2とは異なる位置に存在していることより、未知の因子の可能性が考えられる。
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