2004 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病のL-DOPA投与による副作用発現とグリアのドパミン取込みとの連関
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15790450
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮崎 育子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40335633)
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Keywords | パーキンソン病 / L-DOPA / グリア / ドパミン / レセプター / トランスポーター / アストロサイト |
Research Abstract |
昨年度,ラット胎児中脳あるいは線条体からの初代培養アストロサイトにおいてドパミンD1,D3,D4,D5レセプターおよびドパミントランスポーター(DAT)が発現しており,L-DOPA投与によりパーキンソン病(PD)モデル傷害側のアストロサイトでのドパミンの取り込みおよびDATの発現増加が認められることを明らかにした.本年度は,初代培養アストロサイトにおけるドパミンの取り込み,L-DOPAからのドパミン産生能,PDモデル脳のミクログリアにおけるドパミン取り込みについて検討した. 1.ドパミン神経障害時の培養アストロサイトでのドパミンの取込み動態の変化 線条体からのニューロン・アストロサイト混合初代培養系に6-OHDAあるいはLPSで前処置を行い,さらにドパミンを添加しドパミン神経障害を惹起させると,アストロサイトへのドパミンの取り込みがみられ,DATの発現が増加することを蛍光二重染色により明らかにした.さらに,このときアストロサイト細胞内においてドパミンが増加することを高速液体クロマトグラフィーにより検出した. 2.培養アストロサイトにおけるL-DOPAからのドパミン産生機構 線条体からの初代培養アストロサイトにおいて,DOPA脱炭酸酵素およびL型中性アミノ酸トランスポーターが発現していることをWestern blot法により確認した.このことから,L-DOPAはアストロサイトに取り込まれ,ドパミンに変換されている可能性が考えられる. 3.パーキンソン病モデル脳のミクログリアにおけるドパミン取り込み 6-OHDA注入による片側PDモデルラットにL-DOPAを1週間連日投与し,最終投与3時間後の脳凍結切片を用いてドパミンとOX-42(ミクログリアマーカー)の蛍光二重染色を行った.PDモデル傷害側線条体でミクログリアの著しい増殖がみられたが,ミクログリアへのドパミンの取り込みは認められなかった.
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Research Products
(9 results)