2004 Fiscal Year Annual Research Report
伸長ポリグルタミンにより発現増加するp60蛋白の解析
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15790460
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長岡 詩子 独立行政法人理化学研究所, 構造神経病理研究チーム, 研究員 (80360600)
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Keywords | p62 / ハンチントン病 / ポリグルタミン / proteasome inhibitor / aggresome / RNAi |
Research Abstract |
ハンチントン病を含むポリグルタミン病では、異常伸長ポリグルタミン含有タンパク質を主な構成要素とする神経細胞内封入体が形成され、これに局在している蛋白は病因に深く関わっている可能'性が高い。伸長ポリグルタミン鎖の有無により発現量が変化する蛋白も病因に関与している可能性が高い。ハンチンチンexon1を発現させたNeuro2a細胞を、ある抗BAG-1抗体にて解析したところ、封入体に局在し伸長ポリグルタミン鎖(150Q)発現細胞でのみ発現が観察される約60kDの蛋白を認めた。この蛋白はBAG-1の分子量とは異なっており、抗体の交差反応で認識されたと考えられた。同蛋白を部分精製し質量分析を行ったところ、UBAドメインを持つ蛋白の一つであるp62であると判明した。p62特異抗体による染色では150Q発現細胞およびR6/2マウス脳の封入体が認識された。150Q発現細胞の免疫沈降ではユビキチン化蛋白およびp62が共沈し、ユビキチン化されたハンチンチンexon1-150Qとp62の結合が示された。さらにp62は150Q発現細胞において蛋白およびmRNAレベルで増加していた。プロテアソーム阻害剤にてp62のmRNAが増加することが知られており、150Q発現細胞では伸長ポリグルタミン発現によるプロテアソーム阻害を介してp62が増加していると考えられた。また、プロテアソーム阻害剤にて増加したp62はアグレソーム様の傍核封入体を形成する事が判明した。そこでp62のアグレソーム形成およびポリグルタミンの封入体形成への影響を検討するために、RNAiにてp62をknock downしたところ、アグレソームおよび封入体形成は同様に観察され、p62はこれら構造物のリンカーとしてではなく、二次的に結合していることが判明した。
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Research Products
(2 results)