2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790465
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮脇 一真 京都大学, 医学研究科, 助手 (00359811)
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Keywords | GIP / 脂肪 / エネルギー代謝 / 高脂肪食 / 消化管ホルモン / Kir6.2 |
Research Abstract |
(代謝変化より責任臓器・遺伝子を特定するアプローチ) これまでの検討により、高脂肪食(脂質45%、炭水化物35%、蛋白質20%;3,57Kcal/g)を負荷し代謝測定した際、野生型マウスでは呼吸商が高脂肪食に適応し定常状態に達するまでに5週間程度を要するのに対し、GIP受容体欠損マウスでは3週目という比較的早期から呼吸商が高脂肪食に適応して定常状態に達していた。このことから、GIP受容体欠損マウスでは、脂肪の消費が亢進しやすい体質であること、そのために肥満を起こしにくい表現型になるものと考えられた。現在、高脂肪食を3週間および5週間負荷した野生型マウスとGIP受容体欠損マウスより、肝臓、筋肉、白色脂肪、褐色脂肪を採取し、リアルタイムPCRにより脂肪合成、脂質代謝、β酸化、TCA回路、解糖系、アディポサイトカイン等の発現量の解析を進めている。 (GIP受容体発現より責任臓器・遺伝子を特定するアプローチ) GIP受容体は、主に膵β細胞と脂肪細胞に発現しており、膵β細胞ではインスリン分泌の促進に、脂肪細胞ではグルコースや脂肪酸の取り込みに主に関与している。申請者はGIP受容体欠損マウスの表現型が膵β細胞に由来するものなのか脂肪細胞に由来するものなのかを特定すべく、それぞれの組織にGIP受容体が発現するトランスジェニックマウスを作製した。続いてGIP受容体欠損マウスと交配し、目下、脂肪細胞だけにGIP受容体が発現するマウスの作製が完了した。このマウスに高脂肪食負荷して代謝測定等の解析を開始した。また膵β細胞に発現するGIP受容体の役割を検討するアプローチとして、GIP受容体とKir6.2とのダブル欠損マウスを作製し、インスリン分泌におけるGIP受容体の役割を検討した。KATPチャネルはグルコース応答性インスリン分泌のメインの経路であり、この欠損マウスではOGTT後のインスリン分泌が70%程度障害されるが、残りの30%程度の経路については不明であった。我々が作製したGIP受容体とKir6.2とのダブル欠損マウスでは、OGTT後のインスリン分泌が完全に廃絶し、この残りの30%のインスリン分泌を担っているシグナルはGIPであることが分かった(Eur J Endocrinol)。
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Research Products
(1 results)