2004 Fiscal Year Annual Research Report
心臓特異的リポ蛋白リパーゼ過剰発現マウスの脂肪毒性による心筋障害のメカニズム解明
Project/Area Number |
15790468
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
野牛 宏晃 自治医科大学, 医学部, 講師 (60348018)
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Keywords | リポ蛋白リパーゼ / 脂肪酸 / 脂肪毒性 / 心筋障害 / PPAR-α |
Research Abstract |
LpLはリポ蛋白中のトリグリセライド(TG)を水解し脂肪酸(FA)を産生し、生体では血清リポ蛋白代謝と共に組織でのエネルギー代謝に重要な酵素である。近年私達はGPI anchorを結合させたLpLを心筋細胞に過剰発現させたトランスジェニックマウス(hLpL^<GPI>)を作製し、脂肪毒性(lipotoxieity)による心筋障害を明らかにした。hLpL^<GPI>マウスでは、心臓におけるリポ蛋白由来のTGあるいはFAの取り込みが増加すると共にPPAR-α、acyl-CoA oxidase、CPT-1といった細胞内脂肪酸代謝及びβ酸化経路に関与する酵素の遺伝子発現が亢進していた。また電子顕微鏡ではミトコンドリアの増殖、心筋構造の破壊を認め、心臓超音波では心機能低下が認められた。そこでhLpL^<GPI>マウスにおいて細胞内脂肪酸代謝を調節するPPAR-α遺伝子を欠損させ、PPAR-αの心筋障害に及ぼす影響を検討した。hLpL^<GPI>マウスとPPAR-α欠損(PPAR-αKO)マウスを交配させ、hLpL^<GPI>/PPAR-αKOを作製し、血糖及び血清脂質について検討した。hLpLGPL^<GPI>/PPAR-αKOマウス(n=9)はhLpL^<GPI>マウス(n=10)に比べ、血糖が34%低下(30.9±4.3vs.46.6±13.3mg/d1,p<0.01)、TGは245%の増加(199.1±11.5vs.57.7±27.4mg/dl,p<0.01)、FAは78%の増加(1.74±027vs.0.98±021m:Eq/I,p<0.01)を認めた。心臓において心不全マーカーであるatirial natriuretic factor (ANF)の発現は両群間で発現の差を認めなかった。hLpL^<GPI>/PPAR-αKOでは心臓への脂肪酸の供給源である血清TG及び恥が著明に高値であることから、より心臓脂肪毒性と心臓PPAR-αの関連を明らかにするため、PPAR-αを欠損させるのではなく、hLpL^<GPI>マウスにPPAR-αagonistであるfenofibrateを投与し心筋障害について検討中である。
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