2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規動物モデルを用いた造血器腫瘍に対する細胞免疫療法の抗腫瘍効果及び安全性の確立
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15790492
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
内田 直之 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (80359926)
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Keywords | NOD / scid / 造血幹細胞 / 異種間移植 / 癌免疫療法 / 細胞傷害性T細胞 / side population |
Research Abstract |
1.マウス造血細胞中side population細胞を用いたマウス移植系確立の基礎検討:マウス造血細胞をHoechst33342色素(Ho)で染色しside population形質をもつ細胞群ともたない細胞群で造血幹細胞の分布を検討した(Canada国Vancouver、British Columbia癌研究所のEaves教授との共同研究)。これによってマウスを用いた実験系の基本的手技と解析方法を体得した。 2.ヒト白血病細胞キメラマウスの作成:NOD/scidマウスに4.5GyのX線照射後にHLA-A24陽性のヒト白血病細胞株MEG01、KAZZ、KCL22、陰性のIIL60、NB4をそれぞれ1x10^7個静注した。4週以降骨髄吸引細胞中にIIL60のみが検出でき、他の細胞株は骨髄に定着しなかった。以上より本モデルにおいて細胞株としてHL60が最適と考えられた。ヒト急性骨髄性白血病患者末梢血細胞・骨髄細胞を同様にX線照射したマウスに静注したところ、サンプル1は4週後に5匹すべてにヒト細胞の生着を認めた(マウス骨髄細胞中の2〜12%)。サンプル2は9匹中5匹(同2〜19%)にヒト細胞が生着した。以上から、ヒト白血病細胞、白血病細胞株が生着したキメラマウスを再現性高い状態で作成する系を構築できた。 3.ヒト白血病細胞キメラマウスに対する細胞免疫療法:上記2で作成したHL60細胞を静注したキメラマウスに3〜4週後にヒト臍帯血細胞を4.5Gy放射線照射後に静注した。その7週後に骨髄吸引細胞中のヒト細胞のキメリズムを検討したところ、生存していた3匹全員に高いヒト細胞の生着を認めた(60〜89%)。生着したヒトCD45陽性細胞の90%以上はHLA-A24陽性の臍帯血細胞であった。以上から本モデルがin vivoでの細胞免疫療法を検討するに十分なものであると考えられた。
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Research Products
(1 results)