2003 Fiscal Year Annual Research Report
Hedgehog/hTERT遺伝子導入不死化ストローマ細胞を用いた造血幹細胞増殖
Project/Area Number |
15790496
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小船 雅義 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90336389)
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Keywords | インディアン・ヘッジホッグ / ストローマ細胞 / 造血幹細胞増幅 |
Research Abstract |
本研究ではインディアン・ヘッジホッグ(Ihh)遺伝子とhTERT遺伝子導入ヒト・ストローマ細胞を併用することで、効率的な体外造血幹細胞増幅系の確立を目指し、以下の発現ベクターおよび細胞株を作成し、それを用いた基礎的検討を行った。 I)Ihh発現ベクターの作成: ヒト・ストローマ細胞よりRNAを精製し、逆転写反応でcDNAを合成した。ヒトIhh遺伝子をPCRで増幅した後、pGEM-T easyにクローニングした。高発現レトロウイルスベクターpRx-IRES-hrGFP(コントロール・ベクター)におけるIRESの5'siteに、得られたIhh遺伝子を挿入してpRx-Ihh-IRES-hrGFP(Ihh発現ベクター)を作成した。これを一過生のプロデューサー細胞であるphoenixAMPHOにリポフェクションし、2日後に上清に分泌産生されたレトロウイルスベクターを回収し凍結保存した。 II)Ihh高発現ヒトストローマ細胞の作成とCD34陽生造血細胞(CB CD34+細胞)との共培養: 1)コントロールおよびIhh発現レトロウイルスベクターを、hTERTヒトストローマ細胞に感染させ、GFPをマーカーにしてソーティングすることでコントロール・ストローマおよびIhh導入ストローマ細胞を樹立した。RT-PCRにより検討したところIhh導入ストローマ細胞においてIhh mRNAの強い発現が検出された。さらにウエスタンブロットで検討したところIhh導入ストローマ細胞のcytosol分画および上清にIhh蛋白の発現が確認された。 2)CB CD34+細胞はインフォームド・コンセントを得た後に採取した。磁気ビーズカラムを用いCB CD34+細胞を分離した後に、これをIhh導入ストローマ細胞と約2週間共培養した。Ihh導入ストローマ細胞との共培養で増幅された血球細胞は、コントロールのストローマと比較し、CD34陽性細胞は3.7倍、幼若コロニーは5.5倍、HPP-CFCは8.9倍に増幅された。さらに増幅した血球をスキッドマウスに移植し、ヒト血球のキメリズムを解析したところ、Ihh導入ストローマ細胞上で増幅した血球細胞は、コントロールのストローマ細胞上で増幅した血球に比較し、14.3倍の高いキメリズムを示した。現在、limiting dilution解析により造血幹細胞の増幅率を検討中である。
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Research Products
(1 results)