2004 Fiscal Year Annual Research Report
Hedgehog/hTERT遺伝子導入不死化ストローマ細胞を用いた造血幹細胞増殖
Project/Area Number |
15790496
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小船 雅義 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90336389)
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Keywords | インディアン・ヘッジホッグ / ストローマ細胞 / 造血幹細胞増幅 |
Research Abstract |
本研究ではインディアン・ヘッジホッグ(Ihh)遺伝子とhTERT遺伝子導入ヒト・ストローマ細胞を併用することで、効率的な体外造血幹細胞増幅系の確立を目指し、インディアン・ヘッジホッグ高発現ストローマ細胞を作成し、それを用いた基礎的検討を行った。なお、コントロールのストローマとしてベクターバックボーンpRx-IRES-hrGFPを導入した細胞を用いた。 I)Ihh高発現ヒトストローマ細胞の作成とCD34陽性造血細胞(CB CD34+細胞)との共培養: CB CD34+細胞はインフォームド・コンセントを得た後に採取した磁気ビーズカラムを用いCB CD34+細胞を分離した後に、これをIhh導入ストローマ細胞と約2週間共培養した。Ihh導入ストローマ細胞との共培養で増幅された血球細胞は、コントロールのストローマと比較し、CD34陽性細胞は3.7倍、幼若コロニーは5.5倍、HPP-CFCは8.9倍に増幅された。 II)NOD/SCIDマウスを用いた造血幹細胞分画の解析: さらに増幅した血球をNOD/SCIDマウスに移植し、ヒト血球のキメリズムを解析したところ、Ihh導入ストローマ細胞上で増幅した血球細胞は、コントロールのストローマ細胞上で増幅した血球に地鮫し、14.3倍の高いキメリズムを示した。さらに、limiting dilution解析により造血幹細胞の増幅率を検討したところControlでは、初めに2000個のCD34陽性細胞を添加した際には5/6の生着率を認めたが、CD34,100個の際には生着を認めなかった。一方、Ihh-stromaの共培養では、2000個のCD34陽性細胞を添加した際には6/6の生着率を認め、CD34,100個の際でも3/6の生着率を認めた。この結果を統計解析した結果、Ihh-stroma細胞では、controlに比し、6.6倍の増幅効果をもつと算出された。さらに、NOD/SCIDマウスに生着した血球のlineage markerを解析した。controlでは既報のごとくCD19+,CD38+およびCD11b陽性細胞が検出されmyeloid-limphoid系列に分化可能な血球の生着が確認された。Ihh-ストローマにおいてはCD19+,CD38+およびCD11b陽性細胞が高率に検出されるのみならず、さらにCD34陽性細胞も検出された。このことよりIhh-stromaで増幅した血球は、myeloidおよびlymphoid両方への分化能を保持しかつ、造血幹細胞の形質を維持した細胞が生着していることが確認された。
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Research Products
(6 results)