2003 Fiscal Year Annual Research Report
乳児白血病におけるゲノムのメチル化の異常についての検討
Project/Area Number |
15790539
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
大西 宏明 杏林大学, 医学部, 講師 (80291326)
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Keywords | 乳児白血病 / メチル化 / MLL / Bisulfite法 / p15 / p16 |
Research Abstract |
今年度は、まず正常臍帯血、および乳児白血病の臨床検体の収集を行い、それぞれ10検体前後の検体を得た。ここから、DNAおよびRNAを抽出し、以後の研究の材料とした。今後も検体の数を増やす予定である。 メチル化を受けた遺伝子は通常発現が低下しているため、乳児白血病においてメチル化を受けている遺伝子を見出すには、まずこれらの白血病で発現の低下している遺伝子の中から検索することが効率的である。2003年我々のグループから、乳児白血病に高頻度に見られるMLL遺伝子転座をもつ白血病において、マイクロアレイを用いて多数の遺伝子の発現を網羅的に調べた研究が発表された。このデータベースをもとに、乳児白血病において発現の低下している遺伝子のなかから、癌抑制遺伝子(p15、p16など)やホメオボックス遺伝子(HOXA, HOXB族など)など白血病の発生に関与している可能性があると考えられる遺伝子を選び出し、これらについてその後の検討を行うこととした。 メチル化の検討の方法としては、Hermanらにより開発されたBisulfite法を用いることとした。この方法は、以前のサザンブロットやMethylation PCR法に比べ、感度が高く、しかも正常検体の混入があっても少量のメチル化を検出できる優れた方法である。しかしながら、Bisulfite処理の適正な時間が遺伝子ごとに異なるため、初期にこの設定に時間がかかるのが難点である。現在上記にあげたいくつかの遺伝子について、適切な条件の設定を検討している段階である。
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