2003 Fiscal Year Annual Research Report
発熱を伴う痙攣重積発作におけるCOX-2およびPGESの脳内発現とその阻害効果
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15790542
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
竹宮 孝子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70297547)
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Keywords | COX-2 / mPGES / カイニン酸 / 発熱 / 海馬 / 痙攣発作 |
Research Abstract |
平成15年度は、まずオスWistarラットにおいて、麻酔下に左脳室内シングルガイドカニューラと右海馬脳波記録用電極を挿入し頭蓋骨上に固定し、同時に体温測定のためのテレメトリー送信機をラットの腹腔内に植え込む手術を確立した。術後回復期間をおき、無麻酔、無拘束状態のラットに対し、CCDカメラを用いて行動観察を行い、海馬脳波記録、腹腔内体温記録を同時に経時的にモニターしながら、脳室内にカイニン酸をマイクロインジェクションし、その後6時間観察を行った。その結果、カイニン酸0.5ugを注入すると徐々に体温は上昇し、約3時間後をピークに6時間後も上昇は継続することがわかった。行動観察では全身痙攣発作がカイニン酸投与後1時間以内にほぼ誘発されたが、体温上昇と全身性痙攣の頻度、程度には明らかな相関は認められなかった。しかし海馬脳波を見ると、カイニン酸投与4時間以降に低振幅性の発作波が持続的に認められ、体温変化と並行して起る変化として確認できた。また、カイニン酸投与後4時間のラットにおいて、深麻酔下に断頭し脳を摘出しin situ hybridization法でCOX-2 mRNA,mPGES mRNAの発現をみた。COX-2 mRNAは海馬歯状回顆粒細胞層、CA3を中心とした錐体細胞層に発現を認め、mPGES mRNAは血管内皮細胞にのみ発現を認め、その発現形態はLipopolysaccharide(LPS)刺激による発熱時に見られる発現に類似していた。以上の結果から、カイニン酸による発熱、海馬発作に対するPGE_2の関与が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takemiya T, Suzuki K, Sugiura H, Yasuda S, Yamagata K, Kawakami Y, Maru E: "Inducible brain COX-2 facilitates the recurrence of hippocampal seizures in mouse rapid kindling."Prostaglandins Other Lipid Mediat.. 71(3-4). 205-216 (2003)
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[Publications] Sasaki T, Kitagawa K, Yamagata K, Takemiya T, Tanaka S, Omura-Matsuoka E, Sugiura S, Matsumoto M, Hori M: "Amelioration of hippocampal neuronal damage after transient forebrain ischemia in cyclooxygenase-2-deficient mice."J Cereb Blood Flow Metab.. 24(1). 107-113 (2004)