2004 Fiscal Year Annual Research Report
発熱を伴う痙攣重積発作におけるCOX-2およびPGESの脳内発現とその阻害効果
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15790542
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
竹宮 孝子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70297547)
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Keywords | COX-2 / プロスタグラジンE2 / カイニン酸 / 海馬 / 細胞脱落 / 痙攣発作 / 体温 |
Research Abstract |
平成16年度は、興奮性アミノ酸であるカイニン酸投与後の体温上昇、および痙攣発作後の組織変化(細胞脱落)に対するCOX-2、およびそれにより合成されるプロスタグランジンE2(PGE2)の作用に焦点をしぼり実験を行った。 動物はCOX-2ノックアウトマウスと野生型マウスを用い、マウスの脳内海馬CA3領域に慢性カニューレを留置する手術を行い、術後回復期間をおいた後カニューレからカイニン酸を微量注入し海馬発作を誘発した。注入後60分以内に全身痙箪を誘発できたマウスについて、2、4、8、24時間後の体温を測定した。その際、各群をランダムに3つのグループに分け、2グループについては、8時間後または24時間後のマウスの海馬内のPGE2濃度を測定し、残る1グループについては、48時間後に脳のニッスル染色を行い、CA3領域の細胞脱落を評価した。そして、COX-2ノックアウトマウス群と野生型マウス群において、体温変化、海馬内のPGE2濃度、CA3領域の細胞脱落を比較検討した。 その結果、カイニン酸投与後2、4、8、24時間の体温については両群に有意な差は認められなかった。ところが、海馬内のPGE2濃度は8、24時間ともにCOX-2ノックアウトマウス群に比べ、野生型マウス群は有意に上昇しており、さらに48時間後のCA3領域の残存細胞数については、野生型マウス群に比べCOX-2ノックアウトマウス群が有意に多いことがわかった。これより、カイニン酸の脳内局所投与による痙畢発作後の発熱に対して、COX-2は関与していないが、発作後に発生する細胞脱落に対してCOX-2は増悪因子として働き、それにはPGE2がメディエーターとして関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)