2004 Fiscal Year Annual Research Report
ダウン症発症における21番染色体q22.2領域ヒトSIM2遺伝子の関与
Project/Area Number |
15790557
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
八巻 明子 杏林大学, 保健学部, 助手 (40296546)
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Keywords | SIM2 / ARNT / ARNT2 / プロモーター / トランスジェニックマウス / 2量体形成 |
Research Abstract |
1,転写調節因子SIM2の標的遺伝子を同定するためにDifferential Display法を用い,HAS2,HLCS, IGF2R, LOX, PRPF39などの候補遺伝子を見いだした。SIM2単独またはSIM2とヘテロ2量体を形成するARNT2との共強制発現細胞を用い、これらの候補遺伝子についてreal-time PCR法で遺伝子発現量解析を行った。HAS2とHLCSにおいてSIM2およびSIM2-ARNT2強制発現細胞で遺伝子発現量の低下が見られ、HAS2とHLCS遺伝子がSIM2により抑制されると予測された。今後はこれら標的遺伝子がSIM2により直接発現調節される事・HAS2,HLCS遺伝子のpromoter領域の解析およびSIM2-ARNT複合体結合部位の検索を行う。 2,マウス胎仔を用いたin vivoプロモーターアッセイを目指し、ヒトSIM2プロモーター領域約2.2kbを組み込んだトランスジェニックマウスを作製した。発現は胎生8.0日目において上部腸管で見られ始め、耳胞および手肢先端へと発現部位が変化した。胎生10.5日目で耳胞発現は消失し、手肢先端は胎生14.5日目以降で消失した。今後は様々なSIM2プロモーター領域を組み込んだトランスジェニックマウスを作製し、発現パターンを詳細に解析する。 3,SIM2,ARNTおよびARNT2タンパクはbHLH-PASファミリーに属し、HLHドメイン、2個のPASドメイン(PAS1とPAS2)を介して2量体を形成すると推定されている。今回我々は、SIM2タンパクのARNTおよびARNT2とのヘテロ2量体形成ドメインを同定するためにFLAGタグ化したSIM2とHAタグ化したARNTおよびARNT2の完全長あるいは種々の変異体を用い、HEK293細胞に一過性に共発現後、免疫沈降法を行った。SIM2-ARNTの2量体化ドメインはPAS1とPAS2ドメインが必要であったが,SIM2-ARNT2複合体ではPAS2ドメインのみで結合でき、SIM2-ARNTおよびSIM2-ARNT2の2量体ドメインは異なっていた。
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Research Products
(2 results)