2003 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤発育の分子生物学的制御機構の解明-SSH法による新規胎盤特異的遺伝子の発見-
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15790560
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松本 直 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00327595)
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Keywords | 新規胎盤選択的遺伝子 / suppression subtractive hybridization (SSH) / rapid amplification of cDNA Ends (RACE) |
Research Abstract |
現在までに同定されている胎盤に選択的な遺伝子は、胎盤にとって不可欠な機能に関与していることがノックアウトマウスの成績から推測される。しかしそのほとんどは偶然に発見されたものであり、まだ知られていない未知の胎盤選択的遺伝子が重要な胎盤機能に関与している可能性が考えられる。そこで、新規胎盤選択的遺伝子を網羅的に検出し、完全長cDNAの塩基配列およびアミノ酸配列の同定を行った。 1.新規胎盤選択的遺伝子断片の検出および同定 マウス胎盤および脱落膜RNAからSuppression Subtractive Hybridization (SSH)による胎盤選択的遺伝子候補cDNAs断片の検出を行ったところ、136クローンの胎盤選択的遺伝子候補が同定された。次に、データベース検索およびRT-PCRによる新規胎盤選択的遺伝子のスクリーニングをした結果、136クローンの胎盤選択的遺伝子候補cDNAs断片のうち、新規胎盤選択的遺伝子断片を3クローン同定した。 2.新規胎盤選択的遺伝子完全長cDNAの塩基配列の同定およびアミノ酸配列・蛋白の推定 新規胎盤選択的遺伝子cDNA断片からRapid Amplification of cDNA Ends (RACE)による完全長cDNA塩基配列の同定を行った。また、完全長cDNA塩基配列からデータベース検索により、3クローンの新規胎盤選択的遺伝子のアミノ酸配列および蛋白を推定した。そのうちのひとつであるクローン8は胎盤、卵巣、精巣に選択的に発現しソマトトロピンドメインを有し、ホルモン活性をもつことが推定された。 今年度は、新規胎盤選択的遺伝子の機能推定として、ノザンブロットを用いた妊娠時期による発現変化の検討やin situ hybridizationによる細胞局在の検討を予定している。
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