2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790562
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
金 漢錫 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00351403)
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Keywords | 新生児 / 肺サーファクタント / 酸素障害 / 脂質代謝 |
Research Abstract |
(緒言)ビタミンEは脂溶性の抗酸化物質であるが生体内含量も多く、生体内において重要な役割を果たしていると考えられる。肺においても肺サーファクタントには一定量のビタミンEが含まれており、肺における前線での抗酸化機構に寄与している。ビタミンEは肝臓中にあるビタミンE輸送タンパク質(TTP)により生体内での含量が調節されていると考えられているが、近年脳や肺にも微量ながらも存在することが明らかになった。今回このTTPノックアウトマウスを使って肺の抗酸化機構におけるビタミンEの機能の解析を行った。(方法)9〜11週令のwild-type(WT)およびα-TTP^<-/->マウス(KO)に高濃度酸素(FiO2>95%)の負荷を行った。両群とも酸素負荷3日までは普通コルク食にて負荷72時間前よりWTには普通食;α-tocopherol(α-toc)36mg/kg,20%ビタミン除去カゼイン/25%ブドウ糖/25%ショ糖/5%コーンスターチ、KOには同飼料からα-tocを除去したビタミンE食にてそれぞれ飼育した。TTPのタンパク、遺伝子発現はwesternおよびnorthern blot法にて、過酸化脂質定量はTBARS法およびLPO assay法にて行った。酸化ストレスの程度を免疫組織学的にも検討した。(結果および考察)高酸素負荷3日前より、ビタミンE欠乏食にて飼育したKO群では、負荷後32時間より死亡し始め、72時間での生存率はコントロールに比して統計学的に有意に低かった。同じKO群でもVEを摂取させた群では有意差を認めなかった。これは食餌に含まれるVEが腸管から吸収され全身を循環する際に、一定量のVEが末梢組織に移行するためと考えられた。KO群では肺の組織中のTBA値が酸素負荷72時間にてコントロールに比し有意に上昇しており、肺におけるビタミンEの効果は主に酸化ストレスに対するものと思われた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kim HS, Manevich Y, Feinstein SI, Pak JH, Ho YS, Fisher AB: "Induction of 1-cys peroxiredoxin expression by oxidative stress in lung epithelial cells."Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol.. 285(2). L363-L369 (2003)