2004 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎におけるSteroid withdrawalによる病態解析
Project/Area Number |
15790569
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
宮崎 安洋 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40302848)
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Keywords | ステロイド / 表皮細胞 / ヒト微小血管内皮細 / P-selectin |
Research Abstract |
ステロイド添加状態における表皮細胞,血管内皮細胞における他のサイトカインや転写因子の動きを検討するための,第一段階として,ハプテンやサイトカイン刺激による血管内皮細胞と表皮細胞の接着分子の発現を検討した.蕁麻疹で肥満細胞から放出されるヒスタミンや末梢神経で放出されるサブスタンスPで,ヒト微小血管内皮細胞(HDMEC)を刺激したところP-selectinの発現がフローサイトメトリーや共焦点レーザーで確認された.また,アトピー性皮膚炎でサイトカインパターンがTh2タイプに傾くことから,Th2タイプのサイトカインであるIL-4やIL-13でHDMECを刺激したところ,ヒスタミン同様にP-selectinの発現が確認された.炎症性サイトカインであるIL-1やTNFで刺激しても,P-selectinの発現増強は認めなかった.P-selectinのプロモーター領域に転写因子Stat 6があることから,HDMECをもちいてゲルシフト法を行ったところ,IL-4やIL-13刺激したHDMECにおいてStat 6の活性化,核内移行を認めた.以上のような結果を抑制するためにStat 6オリゴヌクレトチドdecoyを用いて,TH2タイプのサイトカインによるP-selectinの発現増強を抑制するか検討した.Stat 6オリゴヌクレトチドdecoyにより血管内皮細胞を前処理して刺激するとIL-4刺激によるP-selectinの発現増強は抑制された.動物実験においては,Stat 6オリゴヌクレトチドdecoyが接触皮膚炎を抑えることがすでに報告されているが,そのメカニズムのひとつとして,血管内皮細胞のP-selectinの発現を抑制することによりリンパ球や好酸球などの血管外漏出,皮膚組織への細胞浸潤を抑制する可能性が示唆された。 この実験系におけるステロイドや様々な抗アレルギー剤の影響を見るために,種々の薬剤を添加してどうなるかを検討するために,研究継続中である.
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Research Products
(1 results)