2003 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞及び骨髄細胞を利用した皮膚付属器を有する正常皮膚再生の試み
Project/Area Number |
15790579
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
片岡 健 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10293317)
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Keywords | ES細胞 / 骨髄細胞 / 分化誘導 / 組織形成 / 皮膚構成細胞 / 細胞分画 |
Research Abstract |
1.サルES細胞から表皮及び毛嚢前駆細胞の誘導 骨形成性タンパク質の一つであるBMP-4存在下でサルES細胞をPA6細胞と共培養すると、未分化上皮細胞が誘導された。さらにこの細胞を継代し表皮ケラチノサイト初代培養に用いる無血清培地(KGM)で培養すると、増殖性の表皮ケラチノサイトのマーカーであるケラチン5を発現した。この分化誘導プロトコールを用いてサルES細胞から表皮ケラチノサイトに至る分化過程を詳細に検討した。現在この結果を纏めた論文を投稿中である。 毛嚢前駆細胞を誘導するため、毛嚢発生への関与が報告されているWnt-3タンパク質を大量に発現している線維芽細胞より調整したコンディションメディウムを用いて、サルES細胞を培養した。残念ながら細胞形態、発現マーカーに大きな変化を認めなかった。 2.上記ES細胞由来前駆細胞を用いた組織形成 上記実験で分化誘導した細胞を、シリコンチャンバーを用いた細胞移植実験系に用いた。まず未分化上皮細胞を皮膚構成細胞とともに移植したところ、皮下に腫瘤を形成した。さらにケラチン5を発現している分化細胞を同様に移植したが、移植後3週間の時点でES細胞に由来する移植細胞は確認できなかった。 3.毛嚢・皮脂腺組織に分化する骨髄細胞の同定 骨髄細胞から毛嚢・皮脂腺など皮膚付属器を誘導する実験を繰り返し、その再現性が確認された。また組織免疫染色法を用いて分化誘導された細胞の特性を確認した。以上の実験結果は、すでに論文報告した。 骨髄細胞を濃度勾配遠心法を用いて分画し、シリコンチャンバーを用いた細胞移植実験系に用いた。皮膚構成細胞へ分化することが可能な細胞は血球系幹細胞が含まれる単核細胞画分だけでなく、むしろ通常の実験では廃棄されることの多いペレット画分に多く含まれていることが証明された。この結果に関する論文は、現在投稿中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ken Kataoka: "Participation of adult mouse bone marrow cells in reconstitution of skin"American Journal of Pathology. 163(4). 1227-1231 (2003)
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[Publications] Masahiro Miyazaki: "Differentiation of bone marrow cells in culture and in vivo"International Congress Series. 1252. 461-464 (2003)