2003 Fiscal Year Annual Research Report
移植片対宿主病(GVHD)における宿主樹状細胞の活性化経路の解明と制御
Project/Area Number |
15790580
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
浅越 健治 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80294461)
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Keywords | 移植片対宿主病(GVHD) / 樹状細胞 / ランゲルハンス細胞 |
Research Abstract |
1、野生型マウス(C3H/HeN)およびToll-like receptor (TLR)-4欠損マウス(C3H/HeJ)に致死量の放射線(1000rad)を照射した後、経時的に表皮シートを作製。表皮内ランゲルハンス細胞を抗Iak抗体および抗DEC205抗体でマーキングして数的変化を検討した。野生型マウスでは照射後48時間でコントロールの約70%、照射後1週間で約50%まで減少した。TLR-4欠損マウスでは野生型マウスと比べ、減少の程度はわずかに少なかったが、有意な差はなかった。 2、また表皮シートでランゲルハンス細胞のマーカーと、抗TLR-4抗体および抗TLR-2抗体で蛍光二重染色し、ランゲルハンス細胞上のTLR-4ないしTLR-2の発現の有無をみたが、これらの分子は発現されていなかった。これらの結果は野生型マウスでもTLR-4欠損マウスでも同様であった。 3、野生型マウスおよびTLR-4欠損マウスに致死量の放射線(1000rad)を照射した後、経時的に皮膚を採取し、表皮細胞を単離。表皮ランゲルハンス細胞におけるToll-like受容体(TLR)の発現の変化をフローサイトメトリーにて確認したが、その有意な上昇は認めなかった。 4、以上から放射線照射に前処置で表皮ランゲルハンス細胞は減少するが、TLRを介する経路によりランゲルハンス細胞が活性化したためではないと考えられる。今後は、放射線照射によるランゲルハンス細胞の減少への関与が予測される他の経路につき検討する。
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