2004 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックマウスを用いた基底細胞癌の発癌過程の解析
Project/Area Number |
15790583
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
吉川 義顕 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (70314218)
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Keywords | 皮膚腫瘍 / 基底細胞癌 / トランスジェニックマウス / 遺伝子解析 / シグナル伝達分子 |
Research Abstract |
1.基底細胞癌自然発症モデルマウスの解析およびヒト基底細胞癌の解析 (1)トランスジェニックマウスを用いた基底細胞癌の解析 基底細胞癌において発現が変化する遺伝子を検索するために、full length Gli2を用い作製したマウス(K5-Gli2マウス、K5Cre ; Z/AP-Gli2マウス)、Gli2遺伝子のrepressor domainを欠いた変異遺噂伝子(ΔNGli2)を用い作製したマウス(K5Cre;Z/AP-ΔNGli2マウス)の3種類のトランスジェニックマウスに発生した基底細胞癌を、様々なマーカーを用いたin situ hybridization法、抗体染色法、PCR法により解析を行った。その結果、Wntシグナル関連遺伝子の発現に変化が認められたことに着目し解析を進めている。 (2)ヒト基底細胞癌の解析 ヒト基底細胞癌においても上記のWntシグナル関連遺伝子の発現に変化が認められるか検討を行うとともに、基底細胞癌に特有の変化であることを確認するため他の皮膚癌における発現に関しても検討を行っている。さらに、家族性ならびに孤発性の基底細胞癌のサンプルを収集するとともに、臨床的側面からも基底細胞癌の発生機構の解析に取り組んでおり、その結果の一部は論文発表を行った(J Dermatol 2005,32: 66-68)。 2.遺伝学的方法を用いた基底細胞癌発生に関する解析 基底細胞癌自然発症モデルマウスとの掛け合わせによって基底細胞癌形成を抑制あるいは促進するトランスジェニックマウスをみいだすことにより、基底細胞癌の発生に重要な遺伝子を探索することを目的としている。本年度はWntシグナル関連遺伝子のミュータントマウスおよびPtch2(Shhシグナル関連遺伝子)ミュータントマウスに着目し皮膚の表現型の解析を行った。現在も継続し解析を行っている。
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Research Products
(6 results)