2003 Fiscal Year Annual Research Report
光照射の肥満細胞顆粒放出抑制作用におけるカルシウム動態とフリーラディカル生成
Project/Area Number |
15790595
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
森 志朋 岩手医科大学, 医学部, 助手 (70337153)
|
Keywords | カルシウム / 腹腔肥満細胞 / 顆粒放出 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 光照射 |
Research Abstract |
【ラット腹腔内肥満細胞を用いて、光照射が[Ca^<2+>] i変動に及ぼす影響を調べる。】 すでに確立したラット腹腔肥満細胞における[Ca^<2+>]_iと、顆粒放出の同時イメージング法を用いて、実験を行った。具体的にはラット腹腔肥満細胞にカルシウム感受性色素(Fluo-4)やフリーラジカル感受性色素(DAF2、Carboxy-PTI0)を負荷し、細胞外に放出顆粒基質染色性色素のスルフォローダミンを添加したCompound 48/80 (顆粒放出刺激)を加えて、[Ca^<2+>]_i変動、フリーラディカルおよび顆粒放出の動態を共焦点レーザー顕微鏡で同時イメージングを行った。 その結果、光照射により一酸化窒素などのフリーラジカルの生成が起こり、[Ca2^<2+>]_i上昇が抑制され、肥満細胞の顆粒放出抑制が生じることがわかった。 本研究は、皮膚アレルギー疾患、炎症性角化性疾患で用いられる光線療法、および光照射でガン細胞を殺傷するphotodynamic therapyの作用機序を考える上で重要なメカニズムにフリーラディカルが関与していることを示している。 今後、さらにアクチンフィラメントの重合、脱重合に及ぼす効果、あるいはCCE(capacitive calcium entry)に与える影響を調べる予定である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 森 志朋: "多数の紫斑形成を認めた全身性アミロイドーシスの1例"臨床皮膚科. 57(2). 185-188 (2003)
-
[Publications] 森 志朋: "3歳女児に発症したChilblain lupusの1例"日本小児皮膚科学会雑誌. 22(1). 29-32 (2003)
-
[Publications] 森 志朋: "ステント留置を必要とした再発性多発性軟骨炎の1例"日本皮膚科学会雑誌. 113(8). 1255-1262 (2003)
-
[Publications] 森 志朋: "SLEの経過中に生じた抗癌剤によるDLE型薬疹の1例"皮膚科の臨床. 45(8). 959-962 (2003)
-
[Publications] 森 志朋: "脂漏性角化症と思われたeccrine poromaの1例"皮膚病診療. 25(2). 53-56 (2003)