2004 Fiscal Year Annual Research Report
光照射の肥満細胞顆粒放出抑制作用におけるカルシウム動態とフリーラジカル生成
Project/Area Number |
15790595
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
森 志朋 岩手医科大学, 医学部, 助手 (70337153)
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Keywords | カルシウム / 腹腔肥満細胞 / アクチンフィラメント / 細胞内骨格 |
Research Abstract |
【ラット腹腔肥満細胞を用いて、光照射が細胞内骨格の重合・脱重合に及ぼす影響を調べる。あわせて、重合・脱重合阻害が顆粒放出に及ぼす効果を検証し、光照射時の変化と比較する。】 すでに確立したラット腹腔肥満細胞による細胞内カルシウムイオン濃度変動([Ca^<2+>]_i)と、顆粒放出の同時イメージング法を用いて、顆粒放出動態および、[Ca^<2+>]_i変動とアクチンフィラメントの細胞内分布の局在変化を観察するために実験を行った。 まず、腹腔肥満細胞を光照射群と非光照射群などに分けて、アクチンフィラメントは数種類の蛍光色素標識ファラシジンで染め出した。アクチンフィラメントは、通常は細胞膜を縁取るように見られるが、果粒放出刺激(Compound 48/80)で、それが消失する。これはアクチンフィラメントの脱重合が生じたためだと思われる。一方、光照射をすると、果粒放出刺激を与えてもアクチンフィラメントの脱重合は生ぜず、細胞膜直下のアクチンフィラメントは消失しなかった。 光照射により、free-radicalが上昇するが、その一つであるNOが上昇するかどうかを、NO感受性蛍光色素のDAF-2で観察した。照射光を増減させることでNOの産生スピードはコントロールできたが、最弱のレーザー光でも結局はNOが上昇し、その後は果粒放出が抑制された。[Ca^<2+>]_i上昇機構は抑制されておらず、このことは光照射がNOなどのfree radicalを産生させ、それがアクチンフィラメントの脱重合を抑制するのだと思われる。 次年度は、アクチンフィラメントの脱重合抑制がCapacitive Calcium Entryを抑制するかどうかを検討したい。
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