2004 Fiscal Year Annual Research Report
78個の毛髪ケラチン付随タンパンKAP遺伝子の転写機構の解明
Project/Area Number |
15790598
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大林 泉 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80360113)
|
Keywords | 毛髪ケラチン付随タンパク遺伝子 / 角化細胞 / 毛乳頭細胞 / ケラチン中間径線維遺伝子 / 転写調節因子 |
Research Abstract |
毛髪ケラチン付随タンパク(KAPs)遺伝子群の発現に関わる転写調節因子の同定と、発現調節機構を解明することを目的として下記の研究を実施した。 1.毛細胞に優位に発現している転写因子(Foxn1,Hairless,Lef-1)のcDNAをクローニングし、HeLa細胞に導入・強制発現させることで各KAP遺伝子の発現が誘導されるか否かを調べたところ、Foxn1の強制発現によりII型ケラチン中間径線維(KIF)遺伝子であるKRTHB3,KRTHB5遺伝子およびHGT(high-glycine-tyrosine)型のKAP遺伝子であるKRTAP7-1遺伝子の発現が顕著に誘導された。また、Lef-1の強制発現細胞では、KRTHA5,KRTAP13-1遺伝子の弱い発現増加が認められた。 2.毛包は外胚葉(角化細胞)・中胚葉(毛乳頭細胞)の相互作用により形成される。正常ヒト毛乳頭細胞と重層培養することによって正常ヒト角化細胞の毛細胞への分化すなわちKIF、KAP遺伝子など毛髪特異的遺伝子の発現誘導を試みた。しかし、細胞分化の最終段階で発現するとされるKAP/KIF遺伝子群の発現が認められなかった。このことは、細胞培養系では組織で起こっているような細胞分化が再現できていないためであると考えられた。 3.そこで毛組織における機能を解析するためマウスから毛細胞を採取し、パピローマウイルス16型由来のE6,E7断片を持つ組換えアデノ随伴ウイルスを感染させ、毛乳頭細胞および毛母細胞の不死化細胞株の樹立を試みたが、不死化細胞株は得られなかった。
|