2004 Fiscal Year Annual Research Report
マウス神経冠由来幼若メラノサイト株の樹立と、その分化・増殖にかかわる因子の検討
Project/Area Number |
15790605
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
大岡 志穂 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (90350660)
|
Keywords | SCF / EDN3 / NCCmelan5 / メラノサイト / 神経冠細胞培養株 |
Research Abstract |
すでに当教室ではstem cell factor (SCF)と、endothelin3 (EDN3)で活発に増殖する、メラノサイトの神経冠細胞培養株(NCCmelan5)を樹立している。しかし、この細胞はかなり成熟したメラノサイトの培養株で、メラノサイトの分化に関する因子を研究するためには幼若な培養株が必要である。当教室では他の細胞で、SCFとEDN3で培養しドーパ反応、KITともに陽性と陰性が混在している細胞群をSCFのみの培養に変更しドーパ反応陰性の幼若なメラノサイトの細胞株を樹立した。このことより、NCCmelan5をSCFのみで培養することにより幼若な細胞株の樹立が可能であると考えた。NCCmelan5をSCFのみで継代培養し、幼若メラノサイトの神経冠細胞培養株を樹立、その分化にかかわる因子を検討することを日的とした。 (1)SCFとEDN3で培養していたNCCmelan5をSCFのみの培養に変更し、継代培養した。しかし、メラノサイトは多くのメラニンを含有したままでドーパ反応は陽性で幼若メラノサイトへの変化はみられなかった。 (2)次に、冷凍保存中の初期継代培養NCCmelan5を解凍し同様にSCFのみでの培養を試みた。しかし、ドーパ反応は陰性にはならず幼若メラノサイトへの変化はみられなかった。 (3)さらに、再度、野生型C57BL/6マウスの神経管より分離したメラノサイトを、SCFとEDN3で培養しその後、SCFのみの培養に変更し継代培養したが、幼若メラノサイトへの変化はみられなかった。マウスの色素産生能は系統間で差がある事が知られているので、幼若なcell lineを樹立したWBマウスを用いて現在検討中である。
|