2004 Fiscal Year Annual Research Report
セロトニン受容体のアロマテース及びステロイドによる動態制御
Project/Area Number |
15790624
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
柳井 章江 山口大学, 医学部, 助手 (20284854)
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Keywords | ステロイドホルモン / セロトニン / セロトニンレセプター / グルココルチコイドレセプター / エストロゲンレセプター / アンドロゲンレセプター |
Research Abstract |
1.セロトニン(5HT)とステロイドホルモン受容体の共存関係について 中脳背側縫線核のセロトニンニューロンに注目し、セロトニンとエストロゲンレセプターα(ERα)、エストロゲンレセプターβ(ERβ)、アンドロゲンレセプター(AR)との共存関係における性差及び種差を明らかにする目的で、雌雄成獣ラット及びマウスの5HT、ERα、ERβ、ARを免疫組織化学法により検討した。その結果、免疫二重染色法を用いたマウスでは、5HTとARとの共発現はほとんど見られなかったが、背側縫線核のセロトニンニューロンの前脳や辺縁系に投射する亜核に5HTとERα、ERβが共発現しており、これらのニューロンは、主にエストロゲンで修飾される可能性が示唆された。本課題については、研究発表に示す論文(Neuroscience Research 49,2004,185-196)にて発表した。 また、新たにハンチントン病原因遺伝子関連蛋白質であるHAP1が中脳背側縫線核にも存在することを報告しており(研究発表参照)、HAP1がセロトニンやステロイドホルモンの制御を受ける可能性も示唆された。 2.セロトニンレセプター(5HTR)とステロイドホルモンレセプターとの共存関係について 成獣雄ラットを用い、5HT1AR、5HT1BR、5HT2AR、5HT12BR、5HT2CRについて、免疫組織化学法を用いて形態学的に検討した。その結果、攻撃行動や生殖機能に関わり、性分化の中心的領域であると言われる内側扁桃体に、5HT2CRは多く分布していた。次いで、内側扁桃体には、性ステロイドホルモンレセプターも豊富に分布していることから、これらステロイドホルモンレセプターと5HT2CRが同一ニューロンで共存することを確かめるために二重染色を試みた。その結果、ERβを発現しているニューロンに5HT2CRの陽性反応が観察され、同様に、ARを発現しているニューロンにも5HT2CRの陽性反応が観察された。
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Research Products
(3 results)