2003 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロンCTを用いたアミノ酸輸送担体発現評価による癌治療個別化に関する研究
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15790651
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
樋口 徹也 群馬大学, 医学部, 助手 (60323367)
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Keywords | アミノ酸輸送担体(LAT1) / L型中性アミノ酸 / F-18標識αメチルタイロシン / ポジトロンCT / 頭頚部腫瘍 / F-18標識フルオロデオキシグルコース |
Research Abstract |
本年度は、3年計画の研究課題の初年度であり、アミノ酸輸送担体であるLAT1の発現があると考えられる症例に対して、F-18標識αメチルタイロシンによるポジトロンCT検査(FAMT-PET)およびF-18標識フルオロデオキシグルコースPET(FDG-PET)、さらに、X線CTや、MRI検査などを追加し、FAMTの腫瘍への集積に関しての知見を蓄積した。主に、口腔外科領域で良性、悪性の両者を含む腫瘍の症例で、検討を行った。口腔外科領域の腫瘍では、FAMTの集積は、腫瘍の中心部の比較的壊死細胞の少ない領域に集積が明瞭であり、FAMT集積はバイアビリティの高い増殖能に富む腫瘍への集積特異性が高いと考えられたのに対して、FDG-PETでは、周囲の炎症性組織と考えられる領域にも集積を認め、比較的腫瘍集積の特異性は低いと考えられた。口腔外科領域では、扁桃や声帯や咬筋群への非特異的な集積がFDG-PETでは多いのに対して、FAMT-PETでは、腫瘍のより特異的な描出が可能であり、腫瘍の増殖能の評価に加え、病変の正確な進展範囲の診断にも有用と考えられた。FAMT-PETは、FDG-PETの欠点を補い、相補的に新たな腫瘍の代謝情報が検索できると期待される。これらの結果は、2004年度欧州核医学会議にて発表予定である。これらの画像検査を行った全症例に対して、基本的に手術を行っており、術後に得られた腫瘍組織を凍結保存し抗LAT1抗体による免疫染色の準備を進めている。次年度は、現在までに蓄積した症例の腫瘍組織標本に対して、免疫染色を行い、FAMT集積との関連を調べていく予定である。これにより、FAMT集積の程度により腫瘍でのLAT1発現の程度を正確に診断できることを確認し、LAT1をターゲットとした分子標的治療の適応決定においてFAMT-PETが有用であるかどうかの評価を進めていく予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Khan N: "A comparative study of ^<11>C-choline PET and [^<18>F] fluorodeoxyglucose PET in the evaluation of lung cancer."Nucl Med Commun. 24. 359-366 (2003)
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[Publications] Khan N: "PET in the follow-up of differentiated thyroid cancer."Br J Radiol. 76. 690-695 (2003)
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[Publications] Zhang H: "^<11>C-choline PET for the detection of bone and soft tissue tumors in comparison with FDG PET."Nucl Med Commun. 24. 273-279 (2003)
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[Publications] Zhang, H.: "Detection of lung cancer with positron coincidence gamma camera using fluorodeoxyglucose in comparison with dedicated PET."Eur J Radiol. 47. 199-205 (2003)
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[Publications] Zhang, H.: "Rhenium-188-HEDP therapy for the palliation of pain due to osseous metastases in lung cancer patients."CANCER BIOTHERAPY & RADIOPHARMACEUTICALS.. 18. 719-726 (2003)
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[Publications] Takasu, S.: "Radioimmunoscintigraphy of intracranial glioma xenograft with a technetium-99m-labeled mouse monoclonal antibody specifically recognizing type III mutant epidermal growth factor receptor."Journal Neuro-Oncology. 63. 247-256 (2003)