2003 Fiscal Year Annual Research Report
二官能性放射性薬剤の分子設計に基づく放射性レニウム標識骨転移腫瘍治療薬剤の開発
Project/Area Number |
15790665
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
向 高弘 京都大学, 医学研究科, 助手 (30284706)
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Keywords | 腫瘍 / 骨転移 / レニウム / ビスホスホネート / 内用放射線治療 |
Research Abstract |
高エネルギーβ線放出核種である^<186>Reを、腫瘍骨転移部位に選択的に送達できる内用放射線治療薬剤として、ビスホスホネート構造を骨病変部位への親和性に関与する部位とし、それとは独立して^<186>Reを安定に保持する部位との二つの機能を両立して有する二官能性放射性薬剤の概念に基づき、^<186>Re-MAG3-HBPを設計した。まず、MAG3のチオール基をトリチル(Tr)基で保護したTr-MAG3を合成し、このカルボキシル基をtetrafluorophenolを用いて活性エステル化し、別途合成した4-amino-1-hydroxybutylidene-1,1-bisphosphonateのアミノ基と反応させ、Tr-MAG3-HBPを、標識前駆体として得た。また^<186>Re-MAG3-HBPは、Tr基を脱保護したMAG3-HBPと^<186>ReO_<4^->とを、SnCl_2のクエン酸溶液中で反応後、逆相HPLCによる精製により放射化学的純度99%以上で得た。^<186>Re-MAG3-HBPを、骨の無機質の主成分であるヒドロキシアパタイトとインキュベートしたところ、ヒドロキシアパタイトとの結合性が高く、またこの結合にはビスホスホネート部位が関与することが確認された。また、マウスでの体内動態を検討した結果、速やかな血液からの消失および骨への選択的な集積を示した。以上の結果から、^<186>Re-MAG3-HBPは、放射性レニウム標識骨転移腫瘍治療薬剤としての基本的性質を有していることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)