2003 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌の経皮的ラジオ波焼灼療法の安全性に関する基礎的研究
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15790676
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
赤嶺 珠 琉球大学, 医学部, 助手 (50325841)
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Keywords | ラジオ波焼灼術 / CT / 肺腫瘍 |
Research Abstract |
近年肺癌のCT検診の普及に伴い、早期の肺癌が高頻度に発見されるに至っている。これに対して肝腫瘍などに用いられていたラジオ波焼灼療法が、肺癌にも応用されてきており、早期肺癌、手術不能肺癌に対する良好な治療効果が期待されている。しかし、肺は化学的、あるいは機械的刺激に反応して呼吸促拍症候群(ARDS)が引き起こされる可能性のある臓器であり、また動脈損傷時の肺出血が致死的になることもある。その点について家兎を用いでCTガイド下で経皮的にラジオ波焼灼を行い、合併症の有無を検討する。 最初にラジオ波焼灼術による家兎の急性変化の検討のために家兎肺に対して経皮的ラジオ波焼灼療法を行い、焼灼後の家兎肺の急性変化、術後の合併症の有無、生存の有無を検討した。 使用したラジオ波発生装置はRF2000(RTC社製)、使用した電極針はLeVeen^<TM>電極針17G(シャフト長15cm、展開径2cm、電極針8本)で、焼灼部位の熱凝固を示すroll-offの状態まで通電を行った。 実験に使用した一群の家兎に対しては、経皮的ラジオ波焼灼術後、肺を摘出し、組織学的な急性期反応の有無を検討した。焼灼後の肺組織は焼灼部位を中心に出血性変化と肺組織の破壊が認められた。もう一群の家兎に対しては、経皮的ラジオ波焼灼術後、慢性期の肺組織の変化を検討するために4週間後、2ヶ月後に肺を摘出し、組織学的に検討する予定である。 今後、血中TNF-α,IL-1βなどのサイトカインの血中濃度の焼灼術前、術後の変化の有無の槍討を組織学的な変化と併せて検討する予定である。
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